戻る

身体・脳・こころを整える 知っておくべき身体合併症


第4回 (※連載について→コチラ)
精神疾患の治療薬で起こりやすいホルモン異常、高プロラクチン血症

著者:尾崎紀夫(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
 

尾崎先生より:当事者・ご家族へ。精神医学研究へのご意見・ご希望をぜひお寄せください。
http://prenatal.nupsy.jp  (ログインID:nagoya-u パスワード:sk25ugsk を打ちこんでログインしてください)


今回のポイント  

◦出産後に増えるホルモン、プロラクチンが増えると、乳房が大きくなる・乳汁が出る・月経が止まるといった副作用を起こす
◦精神疾患の治療薬にはプロラクチンを上げやすいタイプがある
◦高すぎるプロラクチンは、肥満や糖尿病、乳がん、骨折とも関係し得る

 


プロラクチンが高いと出産後の女性と同じ状態になる

 

プロラクチンというホルモンの名前を聞いたことがありますか?
ホルモンというのは、身体のどこかの臓器から分泌され、他の臓器の働きに影響する物質ですが、プロラクチンは脳の下についている脳下垂体から分泌されます。

分泌されたプロラクチンは血液に入り、運ばれてさまざまな臓器で働きますが、女性が出産すると分泌が高まり、その結果、乳腺が大きくなり、乳汁が作られます。
また出産後は、すぐに次の妊娠が起こらないよう卵巣の機能をおさえて月経を止めます。

このように、プロラクチンは出産後の女性にとって重要な働きを持つホルモンですが、出産後ではないのにプロラクチンの分泌が増えると男性でも乳房が大きくなったり…

戻る 続きを読むには賛助会員になってログインしてください。