著者:鈴木映二
東北医科薬科大学 医学部精神科学教室
「薬の名前」について書いてほしいと依頼されたとき、
「なるほど皆さんは、そういうことも気になるのだなあ」と思いました。
開発コードから一般名へ
私は大学院生のとき、薬理学教室で勉強しました。
そこには製薬会社からたくさんの研究員の方達が来ていて、動物や亡くなられた方の肝臓の資料などを使って、薬物(最初は、あくまでも薬の候補なので薬物となります)の基本的な効果や安全性の研究をしていました。
この時点では、ほとんどの薬物が開発コードというアルファベットと数字の組み合わせによる名前とも言えないものしかつけられていません。
その後、たくさんのデータの積み重ねによって、一部の薬物だけが…