戻る

壮大じゃない話


コンボのトップページへ戻る

第15〈連載について→コチラ 
カラオケボックスで

(この電子版には誌面におさめるために省略した文章も掲載しています)


筆者:星野概念(ほしのがいねん)

イラスト:蝦夷森千尋(えぞもりちひろ)

どこかの回(2024年8月号)に書いたかもしれませんが、1年ほど前からカラオケボックスに行く頻度が非常に増えました。
カラオケボックスで、診療以外の仕事に取り組むことが多くなったのです。
 

対面とオンライン

僕は精神科医としての業務を病院や診療所、訪問などさまざまな場所で行っています。
それらのすべては対面の環境で、オンライン診療という形は体験したことがありません。

体験したことがないので想像するしかありませんが、診療をオンラインですることは、自分にとってはとてもむずかしいことのように思えます。
人は人とコミュニケーションをするとき、言葉や表情だけでなく、明確には捉えられないいくつもの要素のやりとりをしている気がするのですが、オンラインだとそれらが削ぎ落とされてしまう感覚があります。
そうではない人もいると思いますが、僕の感覚だとそれがむずかしいので、診療に関連する業務はすべて対面で行っています。

一方で、コミュニケーションにもいろいろな形があり、診療以外での仕事のときにそれを感じます。

たとえば、何かを誰かと始めてみるとき。
まずは早めに打ち合わせのようなことをしないと、皆が動き始められなかったりします。
深刻にならない報告や雑談のようなやりとりも…

 

戻る 続きを読むには賛助会員になってログインしてください。