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第9回〈連載について〉
当事者・ご家族に研究への思いをアンケートで伺った結果
筆者:尾崎紀夫
(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
ポイント
●研究への意見や要望をつのり、計画段階から当事者やご家族に参加してもらいました。
●当事者やご家族の9割以上が「研究の発展に期待している」「研究の内容についてわかりやすく説明してほしい」と考え、
約7割が「病気の原因やしくみを明らかにしてほしい」「新しい治療法を開発ほしい」と希望しています。
▼意見・要望の反映のために
6月号の連載で「私達の臨床研究は、当事者・ご家族の『○○で困っているので、それを解決する研究をしてほしい』というご要望を最優先に研究を進めますので、ぜひご要望をお知らせください」とお伝えしました。
当事者やご家族にとって有益な研究を行うには、皆様が「どのような研究を望むか」をしっかり把握することが大切です。
しかし精神医学の分野では、当事者やご家族が医学研究に何を望んでいるかを確認する取り組みは、これまで十分に行われなかったため、ご要望が研究に反映されているのかどうか十分に確認できていませんでした。
この状況を改善するため、2019年から当事者・ご家族に研究への思いをアンケートで伺い、1022人の方々のご意見を一度集計して結果をまとめ、2024年に日本精神神経学会の雑誌に発表しました。
今回は、その調査結果についてご説明します。
▼計画段階から参加
計画の段階から当事者やご家族に参加してもらうことが、有益な研究成果を生み出すために重要だと考えています。
そこで今回も…