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ぐっと身近になる研究の話


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第8回連載について
ガイドラインの普及と啓発による診療の均てん化
 

筆者:橋本亮太
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 精神疾患病態研究部 部長

ポイント
●ガイドラインとは、エビデンス(科学的な根拠)にもとづいて最適と考えられる治療法等を解説する文書のことです。
●ガイドラインにもとづく治療を受けられていない当事者も少なくなく、普及とその啓発が必要とされています。

 


2種類の研究

前回の11月号でもお伝えしましたが、精神疾患の研究には、治療法を開発する研究標準的な治療の普及法を開発する研究があります。

標準的な治療とは、エビデンス(科学的な根拠)にもとづく現在の最良の治療です。
なかなかよくならない方の中には、この標準的な治療を受けている方と受けていない方がいます。

標準的な治療を受けてもよくならない方のためには、治療法を開発する研究が必要で、先月(前回の11月号)ではその内容について説明しました。
標準的な治療を受けていない方のためには、標準的な治療の普及法を開発する研究が必要です。
そのため今月は、標準的な治療の普及による「診療の均てん化(医療機関よる治療の質の格差をなくすこと)」について説明します。


標準的な治療法はガイドラインに示されている

当事者が希望する治療と、医療者が考える治療方針を話し合い、互いが納得できるようにすることを「共同意思決定(SDMShared Decision Makingシェアードディシジョンメーキング)といいます。

●ガイドラインとは

ガイドラインは、この共同意思決定を支援するために作られます。

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