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ぐっと身近になる研究の話


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第7回連載について
学会からの研究推進の提言
当事者・家族・一般向けを作成しました 
PDFは→コチラ


筆者:橋本亮太
国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 精神疾患病態研究部 部長

 

ポイント
●今ある標準的な治療では十分に改善しない当事者のための治療法を開発する研究を提言しています。
●今ある標準的な治療を受けられるようにするための普及法を開発する研究を提言しています。

 


精神疾患の克服と障害支援にむけた研究推進の提言

治療によってよくなる当事者がいる一方、なかなかよくならずに困っている当事者もいます。
また、なかなかよくならずに困っている当事者の中には、標準的な治療を受けていてもよくならない方と、標準的な治療を受けておらずによくならない方がいます。

標準的な治療

標準的な治療とは、科学的な根拠(エビデンス…あるテーマに関する試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な裏づけ)にもとづいた治療です。
また、現在利用できる「最良の治療」であることが示され、多くの患者に行われることが勧められる治療でもあります。

●必要な研究

標準な治療を受けてもよくならない状況では、治療法を開発する研究が必要です。
そして、標準的な治療が受けられない方のためには、標準的な治療の普及法を開発する研究が必要です。

2023年4月に日本精神神経学会が12団体と合同で作成し公表した「精神疾患の克服と障害支援にむけた研究推進の提言(※同じ名前の提言が2種類あります)」には、この両方の研究についてくわしく書かれています。

今月は治療法を開発する研究の内容を中心に説明し、来月は普及法を開発する研究について説明しようと思います。

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