戻る

ぐっと身近になる研究の話


第3回連載について
高プロラクチン血症の研究は当事者の困りごとがスタート


筆者:尾崎紀夫
(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)


ポイント
●高プロラクチン血症に関する研究は、性機能障害に関する当事者の困りごとからスタートした
●薬の副作用に関してお困りのことがあれば、主治医に相談を


この連載の第1回目にお伝えしましたが、高プロラクチン血症(下図)の研究の出発点は、当事者の方が困っていた性機能障害でした。
その経緯を説明します。


始まりはSST

私達の病院では、当事者のSST(社会生活スキルトレーニング)を行っています。

あるときSSTのテーマを決める話し合いで、
「当事者の方々は薬の副作用で困っているが、それを主治医に伝えられず、服薬がおろそかになり再発をしてしまうことがある」という問題が取り上げられました。
そこでSSTのテーマは、「当事者自身が困っている薬の副作用を主治医に伝える」になりました。

まず、薬剤師と医師から以下のお話をしました。

●薬剤師と医師の話

薬は効果と副作用を天秤にかけて効果を治療に役立てますが、副作用がまったくない薬はありません。
しかし、薬にはいろいろなタイプがあり…

戻る 続きを読むには賛助会員になってログインしてください。