第2回〈連載について〉
臨床研究は当事者の困りごとからスタートします
筆者:尾崎紀夫
(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
ポイント
●臨床研究は当事者の困りごとからスタートする
●今回の連載では、当事者の困りごとからスタートした臨床研究の例を紹介
●皆様の困りごとをもとにした研究へのご意見・ご要望をお聞かせください。
▼臨床研究は当事者の困りごとからスタートします
先月号(5月の207号)でお伝えしたように、研究は、「いまだわかっていないことがらを明らかにしたい」という研究者の好奇心によって進められることが一般的です。
しかし、当事者のご協力を得て、当事者の困りごとに焦点をあてた臨床研究も行われています。
臨床研究は、倫理委員会(後日、夏苅先生がご説明する予定です)で実施してよいかどうかを審査されますが、当事者のご協力を得て実施する研究ですので、常に当事者の困りごとの解消をめざすことが求められます。
つまり臨床研究は当事者の困りごとからスタートします。
これはあたりまえのことですが、それが当事者の方々にも十分伝わっていないこともあるように感じています。
▼この連載では
この連載は、診療に何か問題があって当事者が困っている事態を解決するために臨床研究は行われていることを知っていただくもので…