第16回 (※連載について→コチラ)
回復に必要な6つの主要な原則 その11
⑥文化、歴史、ジェンダーの問題⑴
今回の筆者:片山皓絵/山崎さおり
今回の解説:片山皓絵(かたやまひろえ)
(長谷川メンタルヘルス研究所 公認心理師・臨床心理士)
前回11月号は、トラウマインフォームドアプローチ(TIA)の6つの主要な原則(表)の5つ目、「エンパワメント、意見表明と選択」について、当事者・家族の視点からその体験を交えてお話ししました。
今回からは6つ目の「文化、歴史、ジェンダーの問題」について考えていきたいと思います。
① | 安全 |
② | 信頼性と透明性 |
③ | ピアサポート |
④ | 協働と相互性 |
⑤ | エンパワメント、意見表明と選択 |
⑥ | 文化、歴史、ジェンダーの問題 |
6つの主要な原則 ④文化、歴史、ジェンダーの問題
トラウマがどのように体験されるかは、社会的、文化的、歴史的な背景でも変わります。
TIAでは、人種、民族、性的指向(どの性を好きになるか)、性自認(自分をどの性と思うか)、年齢、宗教、出身地などの問題に積極的に取り組みます。
なぜなら、このような背景でマイノリティ(少数)とされる人達は、マジョリティ(多数)との「力の差」を経験し弱い立場に置かれることで、差別・虐待を受け、無力感を経験してきた歴史があるからです。
そのような経験は…