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トラウマインフォームドアプローチ


第15回 (※連載について→コチラ)
回復に必要な6つの主要な原則 その10
⑤エンパワメント、意見表明と選択(2)

今回の筆者片山皓絵/ユキ・アボカド/吉田佳子


今回の解説:片山皓絵(かたやまひろえ)
長谷川メンタルヘルス研究所 公認心理師・臨床心理士)

 

前回は、トラウマインフォームドアプローチ(TIA)の6つの主要な原則(表)の5つ目「エンパワメント、意見表明と選択」について、支援者の視点からその体験を交えてお伝えしました。

表:TIAの6つの主要な原則
安全
信頼性と透明性
ピアサポート
協働と相互性
エンパワメント、意思表明と選択
文化、歴史、ジェンダーの問題


6つの主要な原則  エンパワメント、意見表明と選択

当事者や家族は、支援者との「力の差」によって、意見表明や選択の機会を奪われ、その結果強制的な治療がなされてきた歴史があります。
TIA(トラウマインフォームドアプローチ)では、当事者や家族が自分で目標設定し、意見表明や選択できるようエンパワーされる(力を与えられる)ことが、回復につながると考えられています。

今回は当事者と家族の視点から考えます。

 


体験を交えて
当事者の視点から
筆者:ユキ・アボカド

「無力な状態」からエンパワーされた(力を与えられた)状態になる助けが3つあります。
 

①リカバリーの定義を自分で決める

リカバリーにはいろんな形があります。
たとえば入院中は、「助けを求められるようになる」や「朝起きて夜眠れるようになる」等のリカバリーの目標を立てていました。

自分のリカバリーを自分で定義することで、治療に責任と権利を感じながら能動的になりました。

また「復職しないといけないんじゃないか」「断薬しないとリカバリーじゃないのでは」など…

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