第11回 (※連載について→コチラ)
身体の動き(「こわばり」「ふるえ」等)と精神疾患(読者アンケートより)
著者:尾崎紀夫(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
※尾崎先生より:当事者・ご家族へ。精神医学研究へのご意見・ご希望をぜひお寄せください。
http://prenatal.nupsy.jp (ログインID:nagoya-u パスワード:sk25ugsk を打ちこんでログインしてください)
▼今回のポイント
◦身体の動きで悩んでいる精神疾患当事者は多い
◦脳のドパミンは、身体の動き・感情・プロラクチンのコントロールなどに関わっている
◦抗精神病薬などは、脳のある場所のドパミンの働きを落とすことで効果を発揮するが、他の場所のドパミンの働きが落ちると身体の動きのコントロールができなくなる
◦パーキンソン病は脳のドパミンを作る細胞が減る結果、身体の動きのコントロールができなくなる病気で、身体の動きが悪いときには鑑別をする必要がある
▼身体の動きの悩み(読者アンケートより)
(連載内容、および昨年2022年の「こころの元気+まつり」のためにアンケート調査へご協力いただき、大変ありがとうございました)
読者の方々に「気になる身体の症状」等をアンケートで伺いました。
その結果、前回の第10回5月号(195号)で取り上げた「口渇、頻尿・多尿」以外に、
「身体がこわばる」
「指が震える」
「転びやすい」
「目がつり上がって下を見られず、歩いていても危ない」
「ジッとしていられない」
といった身体の動きに関する困りごとや、
「薬のせいなのか?」
「パーキンソン病では?」
という心配を持つ方々が多いと感じています。
そこで今回は、身体の動きと精神疾患の問題についてご説明します。