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トラウマインフォームドアプローチ


第9回 (※連載について→コチラ)
回復に必要な6つの主要な原則 その5
③ピアサポート(1)

今回の筆者片山皓絵/宮城整


今回の解説:片山皓絵(かたやまひろえ)
長谷川メンタルヘルス研究所 公認心理師・臨床心理士)

 

前回は、トラウマインフォームドアプローチ(TIA)の6つの主要な原則(表)の2つ目、「信頼性と透明性」について、当事者・家族の視点からその体験を交えてお話ししました。
今回からは3つ目の「ピアサポート」について考えていきたいと思います。

 

表:TIAの6つの主要な原則
安全
信頼性と透明性
ピアサポート
協働と相互性
エンパワメント、意思表明と選択
文化、歴史、ジェンダーの問題

 

6つの主要な原則  ③ピアサポート

ピアサポート」とは、同じような立場に置かれた「peer(ピア)=対等な仲間による支え合いを意味します。

アルコール依存症の人達が集まる自助グループ(アルコホーリクス・アノニマス:AA)をはじめとし、医療や教育などさまざまな場面でピアサポートが用いられており、回復や成長に大きな役割を果たすと考えられています。

TIA:トラウマインフォームドアプローチにおいてピアとは、トラウマサバイバー(トラウマを経験した人)と同じ意味であるとされています。

トラウマインフォームドなピアサポートとは、
「『誰もがトラウマを経験している可能性があり、トラウマは幅広い影響をおよぼすものである』という認識を持ったうえで、トラウマの経験の有無にかかわらず、日常生活を含むさまざまな場で互いが対等な関係で支え合うこと」
といえるのではないでしょうか。

今回は支援者の視点から、「ピアサポート」について考えたいと思います。

 

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