156回 (※過去の内容は→コチラ)
可能性を信じる の巻
著者:土屋徹(オフィス夢風舎 舎長) ※連載が本になりました→コチラ
プロフィール:つちや・とおる(フリーランスナース&ソーシャルワーカー) 精神医療・福祉に従事して39年目になりました。
日本で最初のACTチームのリーダーを経験して、現在はフリーランスとして活動しています。「笑って楽しい精神保健」が実践できる職人をめざして日々精進しています。
▼T君のケース
先日、私が関わっているT君が就職しました。
朝9時から17時までの週5日の一般雇用の仕事です。
T君は高校入学後に体調を崩したのですが、通信制高校に転校して高卒の資格をとり、卒業後は自宅の自営業を手伝いながら生活をしていました。
T君は、自営業で使う機械を動かせたり、お父さんと一緒に製品を出荷したりと、本人は「あまり好きではない」と言っていましたが、立派な戦力として働いていたのです。
初めてT君と個別面接をしたとき、「T君はきっと働けるよ。だって家の仕事も手伝えているし、デイケアにも通えるんだから」と直感的に伝えました。
でもT君はきょとんとした表情で…