第9回 (※連載について→コチラ)
回復に必要な6つの主要な原則 その4
②信頼性と透明性⑵
今回の筆者:片山皓絵/ユキ・アボカド/吉田佳子
今回の解説:片山皓絵(かたやまひろえ)
(長谷川メンタルヘルス研究所 公認心理師・臨床心理士)
前回は、トラウマインフォームドアプローチ(TIA)のの6つの主要な原則(表)の2つ目、「信頼性と透明性」について、支援者の視点からその体験を交えてお伝えしました。
透明性とは、組織の運営や決定が、第三者に対して明確になっており、不明瞭なところがない状態のことです。
① | 安全 |
② | 信頼性と透明性 |
③ | ピアサポート |
④ | 協働と相互性 |
⑤ | エンパワメント、意思表明と選択 |
⑥ | 文化、歴史、ジェンダーの問題 |
透明性が保たれていることで、その組織を利用する人や関係者は、組織に対し信頼感を得やすくなります。
前回は、感情調節困難をかかえた方を対象とする「スキルアップグループ」を例に、「信頼性と透明性」を育てるための支援者の工夫について話しました。
今回は、当事者・家族の視点から、「信頼性と透明性」を考えます。
▼体験を交えて
当事者の視点から
筆者:ユキ・アボカド
私は1対1の場面での信頼性と透明性についての体験をシェアしたいと思います。
○主治医とカウンセラー
まず、長年のつきあいがある主治医とカウンセラーについて「なぜ信頼でき、どんな部分で透明性が役に立っているか」を考えてみました。
2人に共通しているのは…