第7回 (※連載について→コチラ)
摂食障害は身体・脳・こころの病気
著者:尾崎紀夫(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
※尾崎先生より:当事者・ご家族へ。精神医学研究へのご意見・ご希望をぜひお寄せください。
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▼今回のポイント
◦脳には多くのエネルギーや糖分が必要
◦脳の栄養不足から、こころの症状が強まる
◦摂食障害はさまざまな臓器に影響を与え、死亡率が高い
◦体重や体型以外で、自己評価が維持できることが大切
(※摂食障害全国支援センターのホームページは→コチラ)
脳の栄養不足、摂食障害
本連載で「精神疾患は身体疾患を伴うことが多く、死亡率が高い」と話してきました。
中でも摂食障害は、身体・脳・こころに強く影響し、死亡率が極めて高い病気です。
摂食障害には、年齢と身長に見合う体重を維持できない神経性やせ症と、維持できる神経性過食症が含まれます。
2つに共通するのは、自分の体重や体型のとらえ方が極端になり、体重や体型で自己評価が左右される点です。
その結果、特に神経性やせ症の場合、過度な食事制限や運動、嘔吐、下剤や利尿剤の乱用などで得られた低体重ややせた体型を理想として、その維持に強くこだわるようになります。
この「低体重や、やせた体型を維持することへのこだわり」は、低体重が進むにつれて強くなります。
身体の変化に伴い…