第6回 (※連載について→コチラ)
精神疾患と睡眠時無呼吸症候群
著者:尾崎紀夫(名古屋大学 精神疾患病態解明学 特任教授)
※尾崎先生より:当事者・ご家族へ。精神医学研究へのご意見・ご希望をぜひお寄せください。
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▼今回のポイント
◦精神疾患の当事者、特に肥満体型だと睡眠時無呼吸症候群を同時に持っている方が多い
◦イビキ、昼間の眠気といった症状がある場合、検査を受ける可能性を考える
◦睡眠時無呼吸症候群は脳にも身体にも悪影響をもたらし、早期死亡の原因
精神疾患と睡眠時無呼吸症候群を同時に持つ方が多い
最初に、精神疾患の当事者は睡眠時無呼吸症候群を合併している方が多いという点を強調しておきたいと思います。
たとえば、私達の施設で精神疾患の方を対象に睡眠ポリグラフ検査(脳波や呼吸などで睡眠の状態を全体的に調べる検査)をしたデータをふり返ってみました。
その結果、
「いびき」がある場合には約70%が、
「よくならない不眠や過眠」で困っている場合には約40%の方が、
何らかの睡眠時無呼吸症候群を持つことがわかりました。
特に1時間あたりの無呼吸の回数が15回を超える重症度が高い方が半数を超えていました。