このコーナーは、発達障害のさまざまな当事者、支援者の方に、言いたいことを伝えてもらうリレー連載です。
(※過去の内容は→コチラ)
第64回
空気を読むということ
著者:元島生さん(もとしましょう)
(NPO法人場作りネット 副理事長)
「空気を読まずに言いたいことを言っていい」と言われると、余計に空気を読もうとする。
つまり、どこまで言っていいのだろうかと頭をひねりはじめモヤモヤしてしまう。
何と生きづらい生活をしているのかと気がつきます。
空気を読む必要がある社会
そもそも空気を読むということが、なぜ必要と言われるのでしょうか?
自分史に照らして起源をたどれば、それは学齢期にさかのぼります。
保育園までは空気を読まずに自由にふるまう子は、むしろおもしろがられたり可愛がられたりもしますが、学齢期になったとたん管理の対象となり、集団の意図を理解し順応することがきびしく求められるようになります。
そしてそこに順応できなければ、とたんに不適応の烙印を押されたりします。
それは社会のあり方と無関係ではないように思います。
効率よく利益を追求するためには、誰もが機械のように合理的に動く必要があり、システムを滞らせないように順応できる人が「できる人」で優秀な人間とされるようになります。
たとえば人々に寄り添う必要がある相談窓口でさえ…