157回 2つのうつ病エピソード
(※過去の内容は→コチラ)
著者:大野裕(認知行動療法研修開発センター)
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※お詫びと訂正:雑誌の文中では「蜘蛛の糸」を主催する佐藤久雄さんとなっていますが、佐藤久男さんが正しいお名前です。誠に申し訳ございません。
「胸を切り開いて、つらいかたまりをとってください」
これは、あるうつ病の患者さんの言葉です。
胸を切り開く痛みとは比べものにならないほど強い痛みだということを伝えようとしています。
しかし、そのつらさは他の人になかなか伝わりません。
アナウンサーの小川宏さんのエピソード
もう亡くなられたアナウンサーの小川宏さんは、「死ぬしかない」と考えて踏切まで行ったことをテレビで打ち明けたことがあります。
「死ぬ」という言葉が突然頭に浮かんで来ていたそうで、「けったいな病気ですよ」と、うつ病のことを表現していました。
小川さんが踏切まで行ったのは、日が昇る前で、始発電車が動き出すまでまだ時間があります。
通勤の人達が線路を横切っていきますが…