「こころの元気+」2015年4月号(98号)「おこまりですか? では他の人に聞いてみましょう!」より
Q 病気を知られたくない
私は50代の男性です。
中学校の教師をしておりましたが3年前にうつ病を患い、休職中です。
それまで30年ほど教師をしていたので、地元でも私のことを知っている人がたいへん多くいます。
恥ずかしながら、私は自分がうつ病になるまで、精神疾患に関する知識はまったくありませんでした。
同僚や生徒でうつ病や統合失調症になった人がいましたが、関心がありませんでした。
でも、いざ自分自身がうつ病になると、なかなか受け入れられず人に知られたくない気持ちが非常に強いのです。
たぶん、このようなことをいえば、皆さんも不愉快に思うことでしょう。
誰もがかかる病気だと頭ではわかっていますが、どうしても感情がついていかないのです。
私が今一番ビクビクしているのは、自分の病気が知られていて、人のうわさになっているのではないかということです。
勤務していた学校は市内にいくつもあるし、クリニックも同じ市内です。
体調がきついので、遠いクリニックに通う気力もありません。
特にクリニックに入るときに、知人に見られるのではないかとビクビクしています。
クリニックでも、自分の名前が呼ばれるときには冷や汗をかき、「頼むから名前を呼ばないでくれ!」と叫びたくなります。
名前を呼ばれるたびにそっとまわりに知り合いがいないかを確かめますが、私の教え子は千人以上いますので、むだな抵抗です。
病気のことを誰にも知られたくないというこの感情は、おかしなことなのでしょうか。
A 医師に思いを打ち明けてみれば
/名倉マミさん(京都府)
病気になったことを人に知られたくないと思うことはちっともおかしいことではないと思います。
心の病気にかかることは少しも恥ずかしいことではありませんが、残念ながら今の日本社会にはまだまだ無理解や偏見があります。
昔、私もお正月にみんなが集まった席で、親戚から心ないことを言われてとても傷ついた経験があります。
相談者さんのように、社会的地位のある人であればなおさら人の目やうわさ話が気になるだろうと推察いたします。
少し快復してくれば遠くのクリニックに行くのが一番いいと思いますが…