144回 (※過去の内容は→コチラ)
トラウマインフォームドアプローチ(TIA)(13)
BPDの家族支援でのTIA(13)
トラウマと効果的につきあうための心理教育の一例「耐性の窓」(6)
コンパッション①
著者:遊佐安一郎(長谷川メンタルヘルス研究所 所長)
前回まで、家族スキルアップグループで活用される心理教育の1例として、「耐性の窓(※)」の話をしてきました。
また親子などの大事な人間関係が、トラウマの影響などで悪循環にはまると2人の耐性の窓が狭まっていくこと、
そして家族スキルアップグループのPさんを例に、当事者だけでなく母親のPさんの耐性の窓がどのように狭まっていくかについて話しました。
でも逆に「耐性の窓」が、ストレスがあっても狭まらない、
そして狭まっても立ち直って(レジリエンス)、「耐性の窓」を広げられることが心理教育の目的だといえます。
(※耐性の窓:交感神経と副交感神経のバランスがとれていて、ストレスに対応できるような状態)
そのためには、弁証法的行動療法(DBT)のマインドフルネスや承認など、前に何度か話したことも役に立つ工夫だと思います。
コンパッション
今回は「耐性の窓」を広げ、トラウマに解毒的な効果があるという研究報告が出始めている新しいテーマ、コンパッションについてお話を始めたいと思います。