筆者：小塩靖崇（おじお・やすたか）
国立精神・神経医療研究センター研究員
▼授業に取り入れられたメンタルヘルス教育
高等学校での新学習指導要領（2022年4月から）にもとづいた教育が始まってから２年が経過しました。
現在は保健体育の授業に「精神疾患の予防と回復」が取り入れられ、全国の高校生に精神疾患の特徴やその対処法を学ぶ機会が提供されています。
▼高校で学んだ影響
実際に、私の講義に参加している大学生に話を聞くと、高校時代にこの授業を受けて学んだ内容が日常生活に役立っていると感じているようです。
また現役高校生の中には、授業の調べ学習の課題で私に直接連絡をとってきて、オンラインで話し合った生徒もいました。
このような経験を通じて、学校現場で精神疾患を含むメンタルヘルス教育が着実に進んでいる印象を受けています。
◆高校生による違い
一方で別の高校生からは、
「授業で習った記憶がほとんどない」
「教科書に書いてあったかもしれないが、覚えていない」
といった反応もありました。
この違いは…