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特集5 精神科の診断に代わるフレームワーク「PTMF」


筆者:辻井弘美
ゆうりんクリニック 心理士(ファミリー・セラピスト)



私達は誰しも、深い苦悩を経験する可能性があります。


病とされる苦悩

現代西洋社会で築かれてきた考え方では、その苦悩は一般的に「精神の病」とみなされます。
そして身体疾患と同じように、生物的な原因と治療法がある「疾病」として分類されています。

それによって助けられている人々がいる一方で、サービス利用者や専門家、研究者からは、「すべての診断や分類に研究の裏づけがあるわけではなく、それは個人の声と力、希望を奪うもの」という長年の批判がありました。


PTMF ※PTMF:パワー(Power)・脅威(Threat)・意味(Meaning)のフレームワーク(Framework)

その中で、PTMFは、イギリスの心理士とサービス利用者との協働プロジェクトの成果として2018年に発表されました。
これは、苦悩についての今までの考え方や実践に代わる選択肢の1つですが、世界各地で反響を呼び、実践や研究、政策に影響を与えています。


4つの問い

パワー、脅威、意味に関わるPTMFの土台となる考え方は…

 

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