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特集6 拒否することで護られるもの


筆者:山口亮
つくし法律事務所(京都弁護士会所属)

(筆者より:契約を取り消したい時の相談先は→各地の弁護士会法テラス(日本司法支援センター)消費生活センター



私は、50年近く統合失調症で精神科病院に入院されていた方(以下「Aさん」といいます)の成年後見人をしています。

Aさんの体験

Aさんは長年精神科病院に入院されていましたが、ご兄弟がお亡くなりになり、多額の遺産を相続することになりました。

しかし他の相続人が、Aさんについて「相続放棄(そうぞくほうき)」という手続きをしようとして、Aさんに書類への署名捺印(サインとハンコ)を求めました。
おそらく「長期間入院しているAさんに、多額の遺産は必要がない」と考えたのでしょう。

たまたま、Aさんの入院している病院の相談員が…

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