筆者:大石智
(北里大学医学部精神科学 講師/北里大学病院 相模原市認知症疾患医療センター長)
▼気になる言葉
精神疾患について記された報道の記事を読んでいると、妄想、興奮、迷惑行為など、あたりまえに使われる言葉が精神疾患に対する恐れを強めているのではないかと気になることがあります。
SNS、教科書、論文などで精神疾患について表現する際に用いられる言葉も気になります。
診療で私が発した言葉が、本人を傷つけた可能性を表情の変化から感じ取り、診療後に後悔することがあります。
家族が述べた言葉を耳にして、本人が表情を曇らせることもあります。
やはり言葉は、意図せず本人を傷つけることがあるようです。
▼言葉が影響するもの
人はものごとに対する好きとか嫌いなどの認識を知らぬ間に抱き…