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特集4 ヒトの汗の話


筆者:紫藤治
島根リハビリテーション学院 学院長

 

汗とは何?

ヒトは暑いときに皮膚から大量の液体を分泌します。
ウマも走ると大量の液体を皮膚から分泌します。
この液体を私達は“アセ”と呼び、体温を一定に保つ役割を担うと考えています。

ところで、カバは陸に上がると皮膚から赤い色の液体を出し、紫外線から体を守ります。
ある種のカエルは皮膚から粘液性の液体を分泌して乾燥から身を守ります。
これらも“アセ”なのでしょうか?

広い意味では皮膚から分泌される液体はすべて“アセ”といえそうです。
しかし、この使い方は一般的ではないため、ここでは狭い意味で哺乳類が皮膚の汗腺から分泌する液体を“汗”とし、ヒトの汗を中心に紹介します。


汗の種類と役割

ヒトには「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類の汗腺(下記図1)があります。

エクリン腺はほぼ全身の皮膚に独立して存在し、薄い大量の汗を分泌します。

 

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