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特集12 睡眠薬を含む向精神薬の生活リズムや睡眠への影響


著者:松井健太郎
国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部 睡眠障害検査室 医長

 

日本人の約5人に1人が何らかの不眠症状をかかえているといわれ、精神疾患全般において、不眠症状はもっとも併存しやすい症状の1つです。

睡眠薬について

睡眠薬は夜の寝つきをよくしたり、中途覚醒を減らしたりといった作用が期待され、わが国でも広く使用されています。

●バルビツール系睡眠薬

睡眠薬の歴史をひもとくと、古くはバルビツール系睡眠薬と呼ばれる薬剤が使われていました。
バルビツール系睡眠薬は強力な催眠作用を持ちますが、依存が形成されやすいこと、安全域が狭く、大量にのむと呼吸が麻痺して死に至るなどの問題点も多く、現在は使われていません。
 

●ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
※ベンゾ系薬剤の特集は→コチラ

1960年代後半に登場したベンゾジアゼピン系睡眠薬、1990年代に登場した非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が睡眠薬処方の中心となっていました。
ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、バルビツール系睡眠薬と比べ、呼吸抑制が生じにくい点など、安全性の面では格段にすぐれています。

一方で、これらの睡眠薬にも、依存を形成するリスクがあります。
特に長期間、日常的にのんでいた場合に身体的依存が形成されやすく、服薬を急に中断したときに、さまざまな離脱症状(不眠、不安、焦燥、神経過敏、食欲不振、不機嫌など)が生じることがあります。
そのほか…

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