著者:志村哲祥
東京医科大学精神医学分野
特定非営利活動法人 睡眠リズム障害患者会Rhythm and Sleep
人間は昼行性の動物で、多くの場合は夜に寝ますが、この「いつ目が覚めて、いつ眠るのか」の具体的な時刻には、大きな個人差や年齢差があるのをご存じでしょうか。
▼思春期は夜型になる
人間は幼少期には朝型なのですが、思春期を迎えるにつれて夜型になり、20歳前後に夜型化のピークを迎え、以降は加齢と共にまた朝型になっていきます。
人間以外のさまざまな動物でも、このような傾向があります。
また、朝型夜型傾向を決める因子の1つである「体内時計の1日の長さ」も、やはり思春期には延びます。
中高生頃から「朝起きるのがつらい」「夜なかなか眠くならない」という人が増える背景には、このような生物学的な特徴があります。
▼「夜の時間」の個人差
朝型夜型傾向には、個人差も大きいのが特徴です。
身長に高い低いがあるのと同じように、同じ年齢でも、早寝早起きが得意な朝型の人と、夜遅くまで元気で朝は起きづらい夜型の人とがいます。
ちなみに高校生だと、0時に寝て9時に起きるのが平均的な自然のリズムですが…