自己肯定感の回復とは
著者:菊地俊暁
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 講師
自分らしくあるために
普段の生活の中で、皆さんはどれだけ自分らしく行動できていますか?
言いたいことが言えるとか、自分がやりたいように作業を進めるとか、「自分らしく」というのはむずかしいものですよね。
自分らしくあるためには、
「そうありたい」という願望がなければ、まずそのようになりません。
人に従っていればいいとなったら、当然自分らしさは出てきません。
あるいは他の人の視線を気にして自分を出さない、となっても同じです。
さらには、「自分らしくあっていい」と自分を認めてあげることも必要になります。
「このままでいい」と自分を肯定してあげる感覚、すなわち「自己肯定感」ともいいますが、この感覚がなければ自信を持ってふるまえなくなってしまうわけです。
病を患うと
精神疾患をかかえている人や経験したことのある人は、この自己肯定感が下がってはいないでしょうか?
うつ病や統合失調症、不安症などでは、自己肯定感が低下することがよくあると報告されています。
どうしても、
「自分はだめな人間だ」とか、
「まわりと比べて劣っている」
「自分は役に立っていない」
というように…