著者:渡部伸
(「親なきあと」相談室/行政書士・社会保険労務士)
お金はたくさん残せば安心なのか?
「子どものために、お金はいくら残せばいいですか?」
個別相談や講演会などで、一番よく聞かれる質問です。
お気持ちはよくわかりますが、お金を残すだけで「親なき後」 の問題が解決するわけではありません。
大切なのは、残したお金が本人の生活のために使われるしくみです。
障害のある40代の男性が、約3か月間も客引きにバーなどの飲食店に連れていかれ、
貯めてあった1500万円がなくなってしまったという事件が数年前に報道されました。
親がお金を残しても、
悪い人達にだまされたり、
大金を手にした本人がすぐに使いこんでしまったりしては意味がありません。
こういったリスクを防ぐほうがより重要です。