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特集9 お医者さんとの関係を表す専門用語と歴史


著者:山口創生
(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 地域・司法精神医療研究部)

 

治療内容の決定方法

過去半世紀において、患者と医師との治療内容の決定方法は大きく変わってきました。

①パターナリズム

50年前、治療方法の決定は、医師が患者の治療を決めてあげる「パターナリズム」という形が一般的でした(※資料1)
しかしながら、適切な説明のない治療の提供は患者の権利侵害にもなり、しばしば訴訟問題になりました。

②インフォームド・コンセント

1960年代から1980年代にかけて、世界中でさまざまな人権運動が展開されますが、患者団体が勝ち取ったものの1つが自身の受ける治療についての「知る権利」でした。
患者の知る権利に対応するために、1980年代から国際的に広くすすめられたのが「インフォームド・コンセント(説明と同意)」です。
インフォームド・コンセントは…

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