薬は慎重に減らしたい(本人)


こころの元気+2014年11月号93号 特集3より →「こころの元気+」とは
薬は慎重に減らしたい


生き地獄のような離脱症状
(長野県)野々宮浅葱さん

私は薬を突然やめた経験が2回ありますが、そのうちの2回目はひどい離脱症状に苦しみました。
当時のんでいた抗不安薬は一種類だけだったのですが、湿疹の原因かもしれないと考え急に断薬したところ、不眠、ひどい倦怠感、会話もできないほどの不安感、みぞおちの辺りの痙攣、音が脳に響く、肩の筋肉の痛いほどの張り、頬・目・耳のかゆみなど泣きたくなるほどの苦しみを味わい、主治医のところへ駆けこみました。
主治医はすぐに薬を変えてくれましたが、やはり湿疹は薬のせいではないかもと思いなおし、5日後にはまたもとの薬に戻してもらいました(あとで湿疹の原因はシャンプーとわかりました)。
あのときの離脱症状はひどく苦しくて、ずっと奥歯をくいしばり、こめかみの辺りまでおかしくなりそうでした。まさに生き地獄。
もう二度と医師との相談なしに勝手に断薬はしないと思います。


薬をのまずにいられたから減薬!?
(東京都)貴水実久里さん

社会適応障害をもつ、うつ病を患っています。私は調子が悪くなると、外出ができなくなるので通院できません。
きついうつ期に入ったとき、薬が切れても病院へ行けず、1か月ほど過ごしました。
通院を再開したのは、苦しさやつらさで、呼吸困難になり、死んでしまうような状態から脱したかったからです。 以前と同じ薬を処方してもらいたかったのですが、医師から「1か月薬をのまずに過ごせたから」と抗うつ薬や睡眠剤を約半分の量に減らされました。たしかに薬がなくても死なずに過ごせましたが、その期間は、眠れず、不安定でたいへんな思いをしました。半分に減らされた薬で、断薬時よりは眠れ安定もしましたが、以前のようなしっかりした生活はできませんでした。
半年後くらいで、減薬量は、断薬以前より、少し抗うつ剤が減った程度に戻り、生活も安定しました。
調子が悪く通院がむずかしくても、急激な減薬、まして断薬はつらさが増すだけと、身をもって経験しました。


バッサリ減らしたら
(神奈川県)ちどりさん

双極性Ⅱ型障害です。
一昨年転居のため転院しました。5人目の先生なのですが、先生が変わるごとに増えていった薬をバッサリ減らすことになりました。私の希望でもありました。ひと月に一粒減らすぐらいのハイペースだったと思います。
今まで離脱に苦しんだこともなく「今回も何も起こらないな」なんて思っていたのですが、3か月目どうしようもない焦燥感に襲われました。初めての感覚でした。
先生と戻すかどうか検討しながら流れて行く毎日の中で、そんな悩みを知人に話したら自分も同じようなことがあって3か月苦しんだとのこと、しかも同じ薬でした。
だったら3か月までは我慢しようと思って耐えていたら、本当にその直前くらいにふっと楽になって次の薬を減らすことに取りかかれました。期限をつくったのは私にとってはよかったようです。
病状が減薬で大幅によくなることはなかったのですが、肝臓数値はびっくりするほどよくなりました。