将来のことを家族で考える(本人・コンボ)


こころの元気+ 2012年11月号特集より


特集4
将来のことを家族で考える


母の口癖
大阪府 カミオさん


自分の親が二人とも還暦(六〇歳)を過ぎ、その頃から母親が頻繁に「自分がいなくなったときのこと」を語るようになりました。
母親は、物理的に私が自立するのも大切ですが、それよりも「精神的」に自立することの大切さを語ります。
うちの家は七人の大家族で、今はなるべく家事も手伝うようにはしているのですが限界があり、完全に母親のサポートに頼り切っております。
大家族をまとめているのも母親で、家族の間に入り、私の病気の症状などに合わせて私をゆっくりと休ませてくれたりしています。
それがありがたいのですが、母親にとっては心配事の一つになっているようです。
母親は「私が元気なのもあと一〇年が限界よ」と口癖のように言います。
そう言い出してから、私も、いくらつらくても朝は必ず家事を手伝うために起き、できる限りのことをなるべく自分で行い、相談事も「自分のなかで解決させてから事後報告」をするように心がけております。
それが今、親たち…、特に母親を安心させることにつながっているのではないかと思っております。


家族で話しておくべきこと
コンボ・編集部


親の高齢化に伴い、家族の生活は大きく変わる可能性が高くなります。
介護や入院が必要になったりすると、家族全員の協力が必要になりますし、また経済的な問題も出てくるからです。
そのときに、事前に話し合ったり、知っておくととても助かることがいろいろとあります。
それは親自身や家族全員のこうしたい、という希望や、金銭的な問題などです。
できれば、親が元気なうちに(テレビや雑誌などで関連する話題が取り上げられた機会などに)話し合っておくことをオススメします。
親が入院や介護が必要になったときに話し合うと、「縁起でもない」という気持ちが働いて、話しにくくなってしまうからです。

話しておくとよい項目は次のようなことです。

【住まい】
身体が動かなくなってきたときに、自宅に住みたいか、施設入所なら、どんな施設を希望するのか。
【病気治療】
保険に入っているか。
病名の告知を希望するのか。
延命治療(点滴・人工呼吸器・胃ろうなど)をどこまで希望するのか。
【介護】
介護が必要になったら、在宅介護がよいか、施設入所を希望するのか。
家族の誰がどのように分担し、面倒をみるのか。
【金銭的な問題】
預金、保険、株などの書類、印鑑などの保管場所はどこなのか。
介護にかかる費用はどうするのか。

これらは、家族で意見がすぐにまとまらないかもしれませんが、話し合っておくことは大切です。
意見の違いや思いこみなどを、あらかじめ知っておくことで後の対応が変わるからです。
また、図書館などには、親の介護が必要になったときに読むと役立つ本がいろいろあるので、それらを参考に話し合うのもよいでしょう。