こころの元気+ 2014年8月号特集より
特集2
ペットに癒されました。救われました。
ミル子がいたから…
大分県 ぽえまるさん
数十年も前の話です。
学生時代ひどいイジメにあっていて、毎日学校に行くのがつらかったです。それでも通学できたのは、当時飼っていた猫の存在でした。
朝起きると、必ずそばにいてくれて
「今日もファイト!」
と送り出してくれました。
学校から帰ってくると、そばに寄ってきては足元にスリスリ、手を差し出せば手をペロペロなめてくれました。なでてあげれば、なで声を出してきました。
なんとなくいつも私のそばにいました。泣きながら帰れば、通学路の途中まで迎えにくるような猫でした。
家で両親やミル子(猫の名前)が待っていてくれるから、学校で受ける「いじめ」も乗り切れたように思います。
でも、ミル子が交通事故で天に召されたときは、悲しくてさみしくて仕方なかったです。
ミル子がいなくなってから不思議と「いじめ」は下火になりました。
…ミル子よ、ありがとう!
私を止めるため
奈良県 M.Tさん
私の家には12年前、発病してしばらくしてから、私の心を癒すためにミニチュアダックスフントがやってきました。
名前はラブ(女の子)です。
ラブは、小さな頃は臆病でほえることもしなかったのに、今では、私が暴れて叫んでいるときに、必死に制止させようと、ワンワンほえて勇猛果敢にやってきます。心臓も悪く、ヘルニアになって歩くのも痛いはずなのに。
そして、落ち着くと、今度は私の顔をペロペロなめて、私に寄り添って寝てしまいます。
その光景を見たら、とても癒されます。「あぁ、悪いことしたな」と思ってしまいます。
また、ラブはご飯を食べた後、机の角や私の手首に顔をのせて歯磨きをするクセがあります。このしぐさも見ていて癒されます。本当に気持ちよさそうに、目をつぶって一生懸命歯磨きをします。
ラブは家にいるだけで癒されます。体は小さいですが、存在感はかなり大きいです。
大泣きしたら
埼玉県 羊飼いの呼び声さん
愛犬に死なれてひどく体調を崩していたときの話です。
家に一人でいてとても悲しくなり、どうしようもなくてコタツにもぐって大泣きをしました。
そうしたら先にコタツにいた愛猫の麦がそれまでおとなしく丸くなっていたのに、私が泣き出したら
「んん?」
という声を出してオロオロし始めました(本当にこういうふうに鳴くのです)。
私の顔のまわりを行ったり来たり、最後にはゴロゴロとのどを鳴らして私の顔にくっつくようにして丸く座ったのです。
まるでなぐさめてくれているような行動に余計涙が出てきましたが、真意はともあれとてもうれしかったです。
生まれた目的
東京都 まみんこさん
私は解離性障害・不安障害・うつ病を患っています。
今、チンチラ(猫ではありません)とウサギと生活をしています。
このコたちがいてくれなかったら、私は生きていなかったかもしれません。
子どもの頃、両親から愛情を受けられず、暴力をふるわれ、ののしられ続けた私は、信じたいと思いながら心から何かを信じたり、誰かを愛したりできないという葛藤にいつも苦しんでいました。
何度も自殺未遂をして、ひどいときはこのコたちを殺してから自分も死のうと思ったこともありました。でも、どんなときもまっすぐに私をみる瞳。身を任せてなでられている姿を見ていると、私がそんなことをしたらどんなに悲しいだろうと思うと、そんなことはやっぱりできませんでした。
とはいえチンチラくんやウサくんたちは気まま。私の思い通りには動いてくれません。だから、いつも私はこのコたちにふり回されっぱなしなのです。計算できない行動に、「なんで~」とガックリしてしまうときも多いけど、意外な行動に「ヤラレタ~」と愛おしくなることも山ほどあります。
朝はどこにいてもあいさつにきてくれる。「はい」とおやつをあげると、じょうずに手を使って食べてくれる。眠そうな姿や、甘えてすりよってくる姿…何もかもが私を癒してくれます。本気で愛情を注げる存在なのです。それは、見返りなど求めない無償の愛情。
さらに私の考えを変えてくれたことはこのコたちが毎日、毎日を一生懸命に生きようとする姿です。
なんで私は生き続けるのか…
生き続ける価値はあるのか…
なんのために生まれたきたのか…
そんなことばかり考えている私に生まれてきた目的は「生き続けること」と教えてくれました。
子どもの頃から熟睡できない私ですが、このコたちと遊んでいるとついつい気持ちよく眠ってしまうのです。私にとってかけがえのない存在。ペットではなく家族なのです。
このコたちは、いつも緊張している力をスーッと抜いてリラックスさせてくれる癒しの存在なのだと思います。