「脳は運動を求めている」これまでの連載内容(2024年8月現在)

2023年9月号 運動と脳の栄養(第2回目)
●運動すると、筋肉や肝臓、血管から成長因子が放出されます。
●成長因子が血液を通じて脳に運ばれ、脳の栄養として機能します。
●成長因子の作用により、様々な脳機能が向上します。


2023年10月号 脳への影響:有酸素運動対筋トレ(第3回目)
●有酸素運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)を刺激。
●筋トレはインスリン様成長因子-1(IGF-1)を活性化。
●有酸素運動と筋トレの組み合わせが最大の効果をもたらします。


2023年11月号 短時間の運動でも脳力アップ(第4回目)
●短時間の運動が記憶力と海馬の機能を向上。
●4分間歩くだけで創造的思考力が上昇。
●2階分の階段を上ることで創造的思考力が上昇。


2023年12月号 気分がすぐれないとき運動で心をリフレッシュ(第5回目)
●気分がすぐれない時、対処法として多くの人が運動を選び、運動後の気分向上が
最も顕著です。
●運動時にエンドルフィン等の物質が放出され、多幸感を引き起こします。
●定期的運動は、慢性ストレスによる脳や心の健康へのダメージを改善します。


2024年1月号 運動で心を強くしよう(第6回目)
●運動がストレスの事後対処だけでなく、その影響の予防にも効果を示す
●12週間のランニング後にストレス反応が緩和される
●運動はストレス対処の神経機序を強化する


2024年2月号 脳機能向上の鍵となる中高強度運動の効果(第7回目)
●より全面的かつ持続的な脳機能の改善を目指すなら、中高強度の運動がすすめ
●1日に30分以上の中強度運動、または15分以上の高強度運動が理想的
●運動を全くしないよりも、少しの運動でも効果がある


2024年3月号 運動を日常の一部にしよう(第8回目)
●日常活動の中で運動機会を見つける
●少しの時間から運動を始めることが重要
●自分にとって無理のないペースで、楽しみながら運動を続けよう


2024年4月号 自然の中で運動しよう(第9回目)
●Green Exerciseとは、緑豊かな自然の中で行われる運動です。
●Green Exerciseは、都市や屋内で行う運動よりも、心身により良い効果をもたら
します。
●この利点は、運動の健康効果と自然環境のリラックス効果が組み合わさることに
よるものです。


2024年5月号 認知や協調性をきたえる運動のおすすめ(第10回目)
●単純な運動よりも、認知能力や協調性を鍛える運動のほうが、脳により良い効果
をもたらします。
●認知能力や協調性を鍛える運動の例として、スポーツやダンスがあります。
●認知能力や協調性を鍛える運動では、比較的低強度であっても良い効果が得られ
ます。


2024年6月号 水泳や水中運動のおすすめ(第11回目)
●水泳や水中運動は、水の抵抗に克服するために消費カロリーが増加します
●水泳や水中運動は、全身の筋肉を効果的に使います
●水泳が精神的な健康にも良い影響を与えることが報告されています


2024年7月号 マインドボディ運動のおすすめ(ヨガ・太極拳、炎症・酸化ストレス)(第12回目)
●精神的ストレスが免疫力を低下させます
●その背景には、炎症性サイトカインの増加が関わっています
●太極拳やヨガといったマインドボディ運動が、炎症性サイトカインを低下させる
効果があります


2024年8月号 だれかと一緒に運動しよう 孤独対策・家族との運動(第13回目)
●ひとりで運動するよりも、誰かと一緒に運動したほうがより効果的です
●誰かと一緒に運動することで、モチベーションが向上します
●運動中の社会的なつながりが、孤独感を減少させます


2024年9月号(予告)治療プログラムとしての運動療法の現在(第14回目)
●精神科臨床では、現時点で薬物療法や精神療法を行わずに運動療法のみを推奨す
る治療ガイドラインはありません
●比較的軽症の高齢者のうつ病に対しては、運動療法が推奨されています
●認知症の認知機能障害や日常生活動作の改善に、運動療法が推奨されています

脳は運動を求めている

「こころの元気+」
→「こころの元気+」(賛助会員)の申込方法


「こころの元気+」連載
脳は運動を求めている

脳と運動の関係を研究してこられた山口大学の陳冲(チン・チョン)先生に、運動が脳に与える様々な効果についてを連載。今までの思い込みを変えてくれるような、新たな研究結果を色々と紹介してくださいます。


連載のタイトル
※くわしい内容は各号の電子版をご覧ください→コチラ

▼2024年

11月号(213号)  第16回 ライフスタイルをもっとアクティブに
10月号(212号)  第15回 運動の習慣を身につけましょう
9月号(211号)  第14回 治療プログラムとしての運動療法の現在
8月号(210号)  第13回 誰かと一緒に運動しよう
7月号(209号)  第12回 マインドボディ運動のおすすめ
6月号(208号)  第11回 水泳や水中運動のおすすめ
5月号(207号)  第10回 認知や協調性をきたえる運動
4月号(206号)  第9回 自然の中で運動しよう
3月号(205号)  第8回 運動を日常の一部にしよう
2月号(204号)  第7回 脳機能向上の鍵となる中高強度運動の効果
1月号(203号)  第6回 運動で心を強くしよう

▼2023年
12月号(202号)  第5回 気分がすぐれないとき運動で心をリフレッシュ
11月号(201号)  第4回 短時間の運動でも脳力アップ
10月号(200号)  第3回 脳への影響:有酸素運動対筋トレ
9月号(199号) 
第2回 運動と脳の栄養

8月号(198号)第1回 私と運動
 ←初回のため全文公開中

 


筆者プロフィール:
陳冲
(チン・チョン)
(山口大学大学院医学系研究科 高次脳機能病態学講座助教)

医学部に進学後、心理学に興味を持つようになり、精神科を選ぶ。
大学院では、脳神経科学に関心を抱き、運動の抗うつ効果における神経伝達物質の関与を調べた。
以来運動と脳神経科学の研究に専念し、現在うつ病に有効な運動療法の開発に関わっている。
著書に「頭を良くしたければ体を鍛えなさい:脳がよろこぶ運動のすすめ(望月泰博と共著、中央公論新社、2020)など。

 

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この連載を読んで「運動してみようかな」と思った方は →コチラ

脳は運動を求めている(198号)新連載

新連載
脳は運動を求めている(198号)

こころの元気+2023年8月号より
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筆者:陳冲
(山口大学大学院医学系研究科 高次脳機能病態学講座 助教)


第1回 私と運動

POINT
●運動は、健康づくりに必要な三要素の一つです。
●運動して体力をつけることで、脳機能も向上します。
●運動には抗うつ効果があります。

 

私は、医学部の出身にもかかわらず、運動と脳機能が関係することをまったく知りませんでした。
中学生の頃から卓球をやってきましたが、ただただ楽しくやってきただけで、運動そのものに対して特別な思いを持つことはありませんでした。

三要素との出会い

北海道大学大学院に入学し、当時教育学研究院の教授で循環器内科医の河口明人先生のご指導を1年間受けました。
河口先生は300人以上の中高年を対象とした「札幌ライフスタイルスタディ」を実施しており、1年間の運動習慣や栄養指導によって生活習慣病に関わる健康指標が改善したことを報告していました。

河口先生の他、体力科学を専門とする水野眞佐夫教授や温泉医学を専門とする大塚吉則教授も当時在籍されており、彼らのゼミに参加することが、私の健康づくりに必要な三要素と呼ばれる「運動」・「栄養」・「休養」との出会いの始まりです。

 

運動と脳機能の論文

水野先生のゼミで発表することがきっかけで、運動と脳機能について調べることになり、そこで見つけた研究論文が私の人生を変えることになったのです。

運動と学力の関連

その一本目の論文は、米国イリノイ大学運動生理学者のチャールズ・ヒルマン博士チームによる2007年の研究報告です。
彼らは小学生を対象に20メートルシャトルランという体力テストを実施し、体力が高いほど学校での数学や読解力の成績がよいことを明らかにしました。

体力は遺伝とも関連しますが、定期的な運動が体力を向上させるため、この結果は運動と数学や読解の学力向上との間に関連性がある可能性を示しています。

うつ病と運動療法

そして二本目の論文は、米国デューク大学心理学者のジェイムス・ブルメンソール博士チームによる1999年の研究報告です。
この研究では、50歳以上のうつ病患者を対象に、運動療法の治療効果を確認しました。

うつ症状の改善は、抗うつ薬を使用する群に比べてやや遅かったものの、約4か月の継続実施により、運動療法群は抗うつ薬を使用する群と同程度の治療効果が得られることが示されました。
なお、この運動療法では、運動トレーナーの指導のもと、ややきつめのウォーキングやジョギングを週3回、1回30分行いました。

 

運動効果のメカニズム

誰でもどこでもできる運動が脳をよくする、さらに認知と気分の両方をよくすることを知り、とてもワクワクしました。
そして「運動はなぜ認知や気分を向上させる効果があるのだろう? その神経科学的なメカニズムを解明したい」と思いました。

その後、北海道大学精神科の久住一郎教授と中川伸准教授のご指導のもと、博士論文のテーマとして、運動による抗うつ作用の神経科学的機序について研究しました。

ドーパミンの関与

走ることを好むラットを、ランニングホイールのついた飼育ケージで3週間自由に走らせました。
その後、やや強いストレスを与えた場合でも、ランニングホイールのついていないケージで飼育されたラットと比べてあきらめにくい傾向がみられました。
この行動パターンは、あらかじめ抗うつ薬を投与したラットと同じです。

そして、ラットの脳から神経伝達物質(神経細胞間で情報伝達する使者)を回収して、その濃度を測定しました。
その結果、3週間自由に走らせたラットは、脳内のドーパミン濃度が上昇することがわかりました。

ドーパミンは動機づけや認知機能に関連することが知られています。
さらに一連の追加実験により、運動による抗うつ作用にドーパミンが関与していることを確認しました。

博士号取得後、動物ではなく人間を対象に、運動が脳機能に与える影響について研究してきました。
「ふだん、どれぐらい運動やスポーツをしていますか?」のような質問で集団調査を行ったり、研究参加者を集めて実験室で自転車をこいだり、階段を上ってもらったりして、さまざまな運動の効果を調べています。
また、うつ病患者さんを対象とした運動療法の開発にも携わってきました。

 

連載の内容

今回の連載では、こうした研究を通じてわかった、運動が脳に与えるすばらしい効果についてご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

 


筆者プロフィール:
陳冲
(チン・チョン)
山口大学大学院医学系研究科 高次脳機能病態学講座助教

医学部に進学後、心理学に興味を持つようになり、精神科を選ぶ。
大学院では、脳神経科学に関心を抱き、運動の抗うつ効果における神経伝達物質の関与を調べた。
以来運動と脳神経科学の研究に専念し、現在うつ病に有効な運動療法の開発に関わっている。
著書に「頭を良くしたければ体を鍛えなさい:脳がよろこぶ運動のすすめ(望月泰博と共著、中央公論新社、2020)など。


こころの元気+2023年8月号より
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コンボの動き 第73回こんぼ亭「運動しよう!」報告

コンボの動き  ○戻る
vol.92 コンボが主催・開催した活動や今後の開催予定です。


○2021/6/5
第73回こんぼ亭 ※こんぼ亭とは
「メンタルヘルスのために運動しよう!」報告

コンボ事務局

6月5日、こんぼ亭「メンタルヘルスのために運動しよう!」をオンライン(ZOOMウェビナー)で開催しました。

初の体験型こんぼ亭

今回は、お客様の井上猛さん(精神科医/東京医科大学)の講演の後、松井浩さん(運動コーディネーター/ヒューマンモア)からは実際の運動方法を教えていただき、参加者も自宅などで一緒に運動できる講演+体験型のこんぼ亭でした。
後半は、参加者からライブで以下のような質問を送ってもらい、お2人に答えていただきました。
Q.運動がおっくうな場合、どういった方法があるか?
Q.運動してドーパミンが出ることは統合失調症に悪影響をおよぼさないか?
Q.運動によって双極性障害の薬は減るのか?
Q.転倒リスクの高い人がイスに座ってできる運動を教えてほしい
などの質問がありました。

また、開催後のアンケートには、下記のようなご意見が寄せられました。

アンケート(一部抜粋)  (※他のアンケート内容は→コチラ)

●井上先生から運動のエビデンス(科学的根拠)を聴いた後に、松井先生と一緒に体を動かすことで、どこに効いているかを意識しながら行えたのでよかったです。(匿名)

●身体を動かすことは楽しいことだと思いました。
頭で考えることばかりで、体を動かすことをしてないと思いました。
特にコロナがきっかけとなってスマホにかかりっきりの日々です。
今日はそんな日常に隙間ができたように感じました。(アッコスさん)

●どうしても運動がおっくうになってしまいがちですが、井上先生の「運動を薬だと思ってしている」という言葉に触発されました。
よいお薬だと思って無理なくがんばろうと思います。(ぴかりん)

●薬以外で統合失調症の回復に役立つものについて知りたかったので、とてもよかったです。
病気があっても、なくても、運動は大事だなと再認識できてよかったです。(ちよこさん)

●私自身、気分が沈んだときやフラッシュバックを起こして過覚醒になったとき、つらくても動いていたほうが、動いた後、楽になるということは長年の経験でわかりました。
でも、それは「自分だけかなあ」とも思ってもいたので、きちんとしたエビデンス(科学的根拠)があるということは、ほかの当事者の人にもおすすめできるので、よかったなあと思っています。
また、運動強度ややり方について実際に見せてもらうのは、とてもわかりやすかったです。
そして、講座の中でやってみるというのも、ほんの少しの時間なのに頭がすっきりしました。
(ろくさん)

※オンラインこんぼ亭に参加されたことのない方のために、以下のようなサイトを作りました。一度ご覧ください

オンラインこんぼ亭に参加するには

こんぼ亭へのよくある質問

 

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6/5:第73回こんぼ亭「メンタルヘルスのために運動しよう!」(終了しました)

☆終了しました。ご協力・ご参加いただきました方々に御礼申し上げます。
今回お申し込みいただいた方は、後日、今回のこんぼ亭の様子を録画したものを、コンボのウェブサイト(限定公開)にて視聴いただけます。準備ができましたら、あらためてメールをお送りいたしますので、しばらくお待ちください。

▼お申込いただいた方へ

〇パソコン、スマートフォン、タブレットからご参加いただけます。
〇オンライン開催にはビデオ講演会システムZoom(ズーム)ウェビナーを使用します。
〇お申込いただいた方には、こんぼ亭の前日と当日に、NPO法人コンボ事務局から配信URLパスワードをお送りいたします。
開始約15分前になりましたら、そのURLをクリックし、パスワードを入力してログインしてください。

 

【オンラインこんぼ亭に参加するには】
〇Zoomウェビナーの設定や接続環境の確認などについて。申込後~当日~開催後の流れについて。
 より詳しくは⇒こちらから

☆講演中にQ&Aという機能で質問ができますが、PCで入力中、途中で改行しようとEnterキー(Macはシフトキー)を押すと入力の途中でも送信されてしまいますので、ご注意ください(文章がとぎれとぎれ届いてしまいます)
改行せずに入力するか、WindowsではShift + Enterで、Macではcontrol + Returnのキーで改行してください。

【ご注意】
本講演会の録音・録画、画面のキャプチャ、二次的使用(資料を含む)は禁止とさせていただきます。
【出演】
○井上猛さん
(精神科医/東京医科大学メンタルヘルス科主任教授)
松井浩さん
(運動コーディネーター/ヒューマンモア代表)
▽こんぼ亭亭主(ご案内役):
市来真彦さん
(東京医科大学精神医学分野准教授)
━━━━━━━━━━━━━

 

コンボからのメールが当日までに届いているか必ず確認し、メールの内容をご覧ください。

《注:コンボからのメール受信について》
コンボからのメール(comhbotei@gmail.com)が受信拒否され、届かない場合があります。スマートフォン・タブレットをご利用の方は、受信設定、迷惑メール設定等をあらかじめ確認しておいてください。また、Yahooメール、Gmailなどの場合、自動的に迷惑メールフォルダーに振り分けられてしまう場合がありますので、あわせてご確認ください。

 

【オンライン開催】第73回こんぼ亭月例会「メンタルヘルスのために運動しよう!」

おうちでこんぼ亭《オンライン開催》
73回こんぼ亭 (2021/6/5) 
「メンタルヘルスのために運動しよう」
※終了しました。ご協力・ご参加いただきました方々に御礼申し上げます。
*************************
【オンライン開催!“おうちでこんぼ亭”】
ご自宅から、職場から、海外から…どこからでもアクセスできます!
皆様のご参加をお待ちしております!
*************************

運動で脳の血流がよくなり、メンタルヘルスが向上することが注目されています! 欧米の多くの国では、うつ病の治療にも運動療法が取り入れられています。でも、日本ではお医者さんから「無理をしないように」と言われても、「運動もしてください」とはほとんどいわれませんね。
演者のお一人、井上猛先生は、精神科の薬のスペシャリストですが、最近では患者さんに積極的に運動をすすめています。「ストレスの改善から精神疾患の改善まで運動が役立つこと」「どんなときに、どんな運動が効果的なのか?」などをお話いただきます。
また、松井浩先生は、「笑って、動いて、いのち大事に、もっと人間しましょう!」をモットーに、全国各地で運動指導をしています。無理なく、そして長続きできる体の動かし方を紹介します。
心の健康に効くのは薬だけではありません。身体を整えることで、メンタルヘルス力を高めましょう!(こんぼ亭亭主 市来真彦)

◆こんなことをお伝えします◆
□なぜ運動がメンタルヘルスにいいの?
□どんなときに、どんな運動がいいの?
□薬と運動のバランスについて知りたい!
□楽しく長続きする体の動かし方を知りたい!

チラシこちらから

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【日時】 2021年6月5日(土) 13:00~15:00 オンライン開催
(30分ほど延長することがあります)

【出演】
○井上猛さん
(精神科医/東京医科大学メンタルヘルス科主任教授)

松井浩さん
(運動コーディネーター/ヒューマンモア代表)
松井浩さんは、以前NHKためしてガッテンにご出演されました
「血糖値がみるみる下がる!謎のポーズで体質改善SP」

★こんぼ亭亭主(ご案内役):
市来真彦さん
(東京医科大学精神医学分野准教授)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【参加費】
〇 2,500円  (コンボ賛助会員の方: 1,500円) ☆賛助会員とは?こちら
〇 グループ参加(3人まで): 6,000円
※当日参加はできませんのでご注意ください。
※お振り込み後のキャンセルにつきましては、ご返金いたしません。ご注意ください。


【プログラム】

〇前半: 講演/対談
〇後半: トークライブ(座談会)
※途中休憩あり
※プログラムは変更になる場合があります


【申込方法】
どちらかの方法でお申込ください。
クレジットカード決済、コンビニ支払い等をご希望の方は、下記サイトよりウェブ申し込みをしてください → https://comhbotei73.peatix.com
※注意:初めてこの申込サイトpeatix(ピーティックス)を使われる方は、最初にpeatixの画面から新規登録をして、メールアドレスやパスワード等を新たに登録してください(コンボのIDやパスワードではログインできないのでご注意を)。
※お申込の個人情報は、各種手配・手続き、 コンボからの各種お知らせ以外には使用いたしません。

【申込締切】終了しました。ご協力・ご参加いただきました方々に御礼申し上げます。
〇クレジットカード決済 → 2021年6月2日(水)
〇コンビニ支払い →  2021年6月1日(火)

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【オンライン開催について】

〇パソコン、スマートフォン、タブレットからご参加いただけます。
〇オンライン開催にはビデオ講演会システムZoom(ズーム)ウェビナーを使用します。
〇お申込いただいた方には、こんぼ亭当日11時までに、NPO法人コンボ事務局から配信URLとパスワードをお送りいたします。
〇開始15分前になりましたら、URLをクリックし、パスワードを入力してログインしてください。

《注:コンボからのメール受信について》コンボからのメール(comhbotei@gmail.com)が受信拒否され、届かない場合があります。スマートフォン・タブレットをご利用の方は、受信設定、迷惑メール設定等をあらかじめ確認しておいてください。また、Yahooメール、Gmailなどの場合、自動的に迷惑メールフォルダーに振り分けられてしまう場合がありますので、あわせてご確認ください。

【オンラインこんぼ亭に参加するには】
〇Zoomウェビナーの設定や接続環境の確認などについて。申込後~当日~開催後の流れについて。
⇒ より詳しくはこちらから

【ご注意】
本講演会の録音・録画、画面のキャプチャ、二次的使用(資料を含む)は禁止とさせていただきます。
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【ご寄付のお願い】
NPO法人コンボでは、月刊のメンタルヘルスマガジン「こころの元気+」の発行をはじめ、こんぼ亭月例会の他にも、様々な活動に取り組んでいます。(コンボの活動紹介:こちら) 当会の活動を支えていただくためのご寄付をお願いしております。ご支援・ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
⇒ 寄付を通じて応援する:こちら
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【お問合せ】 NPO法人コンボ「こんぼ亭」係
TEL: 047-320-3870
FAX: 047-320-3871
Email: comhbotei@gmail.com
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うつ病と運動(医師)

「こころの元気+ 2016年4月号(110号)」より  
※「こころの元気+」とは?→コチラから

うつ病と運動

国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第三部
功刀浩先生

うつ病と運動

 現代は、車社会になり便利になった反面、運動不足が深刻になっています。
 平成26年国民健康・栄養調査によれば、20代で運動習慣(1回30分以上の運動を週2回以上)がある人は男性で約19%、女性は約10%、30代では男性約13%、女性約10%という数字になっています。
 人生で最も活動的であるはずの年代において、ほとんどの人が運動習慣を持っていないのは残念なことです。

うつ病の予防
 というのも、日ごろの運動は、ストレスをやわらげ、うつ病リスクを減らします。
 たとえば、アメリカの大学卒業生約1万人を長期間調査したところ、387人がうつ病を発症しましたが、卒業時に身体活動が多い者やスポーツ選手のうつ病発症率は身体活動がとぼしい者と比べて低かったという報告があります(Paffenbarger et al, 1994)。

運動療法
 さらに運動は、うつ病の予防だけでなく、治療にも有効であることがわかってきました。
 Cochrane databaseという権威あるデータベースに登録された最近の報告でも、うつ病に対する運動療法は、軽度~中等度の効果があると報告されています。
 うつ病の運動療法のパイオニアであるブルメンタールという研究者のグループによれば、運動療法を16週間受けた患者群と抗うつ薬で同じ期間治療された患者群、プラセボ(偽薬)で治療された患者群を比較したところ、運動療法を行った群と抗うつ薬治療群は、プラセボ群に比較してうつ病の寛解率が高く、運動療法と抗うつ薬の効果はほぼ同等であったと報告されています。
 さらに、運動療法や抗うつ薬によってうつ病がいったん改善した後の10か月後の再発率を比較すると、運動療法を自宅で続けていた者の再発率は、薬物療法を続けていた群の再発率より有意に低かったという報告もあります。
 つまり、運動療法で身に着けた運動習慣を続けていると、再発予防になることが示唆されます。

休息の本来の意味
 日本では、うつ病になると「休息」を勧められることが多いため「運動するのは治療によくないのでは?」と思われた方もいるでしょう。
 しかし、この休息の本来の意味は、「ストレスのかかることから離れる」ということであって、「ベッドで安静にしていなさい」ということではありません。
 うつ病における休息の重要性をはっきり示したのは笠原嘉先生ですが、有名な「小精神療法」の第二原則には、「できることなら、早い時期に心理的休息をとるほうが立ち直りやすいことを告げる」(笠原嘉著『軽症うつ病』講談社現代新書より)と書かれています。
 ストレスのかかる職場でうつ病になったのなら、しばらく休職する、衝突の多い人間関係があるのなら、そのような人間関係から離れる。
 心理的休息をとるというのはそういうことです。
 日本では、この「休息」という言葉だけがひとり歩きして身体も休ませたほうがよいというふうに定式化されてしまった可能性があります。
 しかし、長期間身体を休息していると、運動不足によるメタボリック症候群や糖尿病になってしまう方も少なくありません。これでは、うつ病を治すどころか、悪化させてしまいます。

実際の運動療法
 海外での運動療法としては、週に3~5回程度のウォーキングやジョギング(1回40分程度)やエアロビクスやダンス(1回20分~1時間)などが多いようです。
 筆者は、患者さんに自宅近くでのウォーキングを勧めています。歩数記録用紙を渡して診察時に歩数を報告してもらっている方もいます。
 最初は1回に5~10分のウォーキングで開始し、1週間ごとに5分ずつ長くして、最終的に40分のウォーキングを継続できるようになることをめざします。
 カナダのうつ病治療ガイドラインには、軽症~中等症のうつ病に関する運動療法(ただし薬物療法などの増強法として)の有効性が明記されています。
 日本のガイドライン(日本うつ病学会)では、運動療法は行われることがあるものの、確立した治療法とはいえないとされています。
 しかし、運動はやりすぎない限り、身体にも脳にもよい効果を与えることは明らかです(心不全などの重篤な内科疾患をもっている方は例外として)。
 うつ病の治療にとどまらず、一生の健康のことを考えれば、運動は積極的にやるべきでしょう。

生活(お金・運動・栄養など)の特集

お金、運動、栄養、ひとり暮らし、役所との関係など、「生活」について取り上げた過去の「こころの元気+」の特集です。

▽常識

2019年11月号「「ジョーシキ」って何?(153号)

いわゆる「常識」なるものは、あくまでも後から身についていくものですし、社会のなかにも「非常識」と思われる振る舞いや言動をする人はたくさんいます。
この特集では、「常識」との葛藤やそれによる生きづらさ、それに皆さんがどう対応しているのか、役に立つ「常識」は何か、自分だけじゃなかった―などの体験談や支援者の知恵をお伝えします。

▽お金に関わること(発行当時の情報であることにご注意ください)

2019年12月号「生活の困窮なんとかしたい!」(154号)

病気とお金に関する苦労、将来の不安など、二重苦、三重苦が絶えない方、生活上での苦労から非常な生きづらさを感じている方。
この特集では、どんな苦しい環境を生き抜いているのかを、当事者のアンケートや体験ベースで取り上げ、その支援のために必要とされる自立支援のポイントや相談窓口、生活困窮者自立支援制度を紹介します。

2018年10月号「まんが特集 お金のやりくり苦労してます」(140号)

病気や障害などを抱えることで、なかなか就労できなかったり、仕事をしていても長く続けられなかったりして収入が少なく生活に苦労をしている方は大勢いることと思います。
この特集は、そんな「お金のやりくりの苦労」「経済的に苦しい」「こんな工夫をしている」などをテーマにした漫画やイラストをおとどけするマンガ特集です。

2016年10月号「障害年金 何が変わったの?」(116号)

障害年金の制度は、大きく変わりました。2016年9月には、全国各地で起きている格差を是正するための動きとして今夏から等級判定の新しいガイドラインが使われるようになりました。
2016年10月号は、制度がどう変わったのか、読者はどんな体験をしているのか、など具体的なことがわかり、そして、どのように対処をしたらよいのかがわかるようにまとめてみました。

2015年5月号「お金に関する制度を活用する」(99号)

この特集は、お金に関する制度に限定をして、①使える制度を知ってもらう、②制度を利用してもらう、③制度を利用する・しないを考える材料にしてもらう――という3つのことを目的として企画しました。この特集を読んで、皆さんが制度を有効に活用して生活の不安を少しでも少なくするために役立ててもらいたいと思っています。

2009年4月号 生活のやりくり(26号)

病気になったために、収入が少なくなったり、あるいは、なくなったりしてしまったら、どうしたらよいのでしょうか?他の人たちの生活上のお金のやりくりの工夫や、利用できる制度やサービスなどを紹介します。

▽運動や栄養など

2015年4月号「食べること 動くこと」(98号)

精神疾患を有する人は、さまざまな要因で体の健康を損ねやすいといわれています。この特集では、食べること、栄養管理のこと、今までにない便秘対策、運動などをキーワードに、体の健康管理とメンタルヘルスとの関わりについて考えるための特集です。

2013年5月号「からだにも元気をプラス!」(75号)

精神疾患の方は、身体合併症をかかえやすいと言われます。高脂血症や糖尿病、それ以外もさまざまな疾患をかかえている人が多いことがわかっています。
この特集は、身体合併症について早く気づき、対処はどうしたらよいか、日常的に気をつけることはどんなことなのか、ということを、専門家や体験談をもとにお伝えする特集です。

▽暮らし、役所、その他

2019年4月号「災害に備える」(146号)

この特集は、災害に備えるために、あらかじめどのようなことができるのかを考えます。
一般的な防災知識だけではなく、精神疾患のある人やその家族、支援者などにとって必要な情報を中心に、体験や情報を伝えます。

2019年1月号「一人暮らし大作戦」(143号)

この特集では、一人暮らしをしている方、したい方だけでなく、家族と暮らしていたのに様々な理由で「一人になったちゃった暮らし」の方のためにも、一人暮らしでの困ったことや不安などをできるだけ少なくして、生活の質を高めることをめざしています。

2015年1月号「安心して暮らしたいな」(95号)

精神疾患をもつ人が安心して暮らすためには、いろいろな苦労があります。親との関係、一人暮らしの苦労を始め、お金のやりくり、食事の工夫、掃除の工夫、時間のやりくりなどの現実的な問題に直面します。安心して暮らすために、他の人たちはどうしているのか――この特集はそうしたことをみんなで一緒に考える特集です。

2014年月号「役所のことで苦労しています」(88号)

障害年金、自立支援医療、相談など、公的な機関とのかかわりはたくさんあります。役所の方との関わりは、うまくつきあうことができればよいのですが、付き合う上での苦労も多いことでしょう。この特集は、みなさんの苦労体験談をたくさん掲載しました。また、役所の人とうまくつきあっていくコツもわかるような内容です。

2014年8月号「ペットに癒されたい」(90号)

つらい時に、よりそってくれるペットや家の周りでみかける猫たちに癒されたり、勇気づけられた、という声があります。動物は、人間のストレスを癒してくれたり、危機を感じ取ってくれたりすることもあるともいわれます。8月号は、動物たちと人間との関わりについて体験談や専門家の方からのアドバイスを盛り込んだ特集です。