ちょっと知りたい! ※連載について→コチラ
第120回
離脱症状(217号)
○「こころの元気+」2025年3月号より
○申込について ○申込はこちら
○217号へ戻る
筆者:宇田川健(コンボ代表理事)
▼離脱症状とは (※減薬・断薬・離脱→コチラ)
薬とは少量の異物に対して体がどう反応するかを求める物質です。
薬が効くということは、その少量の異物に体が慣れていく状態です。
薬を抜くということは、慣れている異物をなくすわけですから、とても大きな体や脳の反応が起きると考えられます。
精神科では、長期にのんだ薬の減薬・薬の中止・変更の際に多くの人が苦労していることの1つです。
影響は体に出ることもあるし、精神状態に起こることもあります。
多くの場合、不安・あせり・頭痛・体の違和感・発汗・不眠・幻覚・妄想などの困った状態が現れます。
▼私の対応
しかしそれらは症状というよりも、一時我慢すればやり過ごせる体や脳の反応ではないかととらえ、薬を減らした、もしくは中止・変更したために起きている正常なことであると私はとらえています。
離脱症状がひどい状態になったら、もともとのんでいた少量の薬を1回のんでみるなどの対応をしました。
▼起きたとき
離脱症状には、はげしいものもあります。
起きないようにするというよりは、起きたときにどう対処するかということが事前にわからないことが課題であると思います。
多くの人にとって、離脱症状を起こさずに薬を減らす・中止する・変更することはむずかしく、体や精神に出るつらい状態は、とることもなかなかむずかしいです。
みんなの困りごとの1つであり、薬の変更などについて、日常生活に影響が出るのではないかと不安になることもあります。
離脱症状は、あせりや不安を伴う状態ですので、短期間で何とかならないかともがくことが多いです。
医療従事者に相談したとしても「今は我慢」と言われることもあります。
▼離脱症状の情報
減薬・薬の中止・変更の際には、離脱症状としてどんなことが起きるか医療従事者が事前に情報提供することで、少しはその不安やあせりが解消するかもしれません。
しかし医療従事者には「どの薬」で「その人」に「どんな離脱症状」が出るか、と個別のごとの離脱症状を説明するのはむずかしいようです。
私達、当事者同士の経験にもとづく情報のやりとり、つまり薬についてのピアサポートで情報を知ることのほうが多いです。
○「こころの元気+」2025年3月号より
○申込について ○申込はこちら
○217号へ戻る