コンボの動き 第88回こんぼ亭「認知機能の異なる人々とのコミュニケーション~認知症臨床からの学び」報告


コンボの動き
vol.117 コンボが主催・開催した活動や今後の開催予定です。


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認知機能の異なる人々とのコミュニケーション
~認知症臨床からの学び報告

筆者:コンボ事務局


2023年5月20日(土)に、こんぼ亭「認知機能の異なる人々とのコミュニケーション~認知症臨床からの学び」をオンラインで開催しました。

前半は大石智さん(北里大学/相模原市認知症疾患医療センター)による講演で、言葉(認知症・患者・拒薬・妄想・幻覚等々)のこと・態度のこと・認知機能が異なる人が教えてくれたことなどについて話していただきました。
 

後半では、ライブで参加者から送ってもらった以下のような質問について、答えていただきました(注:当日参加された方は、ズームのQA機能で下のような質問を出演者にすることができます)

左:市来真彦さん(亭主)/右:大石智(おおいしさとる)さん)


▼ Q&A
誌面より多く、こんぼ亭で取り上げられた質問をご紹介しています。

Q:叔父は晩年、私が叔父の貯金を狙っているのではないかと疑っていました。
先生がおっしゃる言葉や態度の工夫で、叔父との信頼関係を取り戻すやり方はあったのでしょうか?

Q:自分の中の差別や偏見を自覚するのはむずかしいです。
方法はあるのでしょうか?

Q:言葉や相手の気持ちになって考えるには、心の余裕が必要になってくるのかと考えます。
身近で支える人にとっては実践が難しく感じるのですが、家族に対する接し方の指導等行っていますか?

Q:私は現在、障がい者グループホームで知的障害のある方や精神障害で年齢的に認知症を疑われている人と暮らしています。
私は挨拶をしないと気がすまない状態で、相手は返事をしないことが多いので、そのたび傷ついて腹が立ちます。
挨拶の仕方の工夫などありましたら教えていただけますでしょうか?

Q:グループで暮らす当事者です。
スティグマ(差別や偏見)を自覚するものの、どう解消すればいいでしょう? 
なかなかポジティブな言葉を使えません。

Q:就労支援事業所のサービス管理責任者です。
自分の支援の姿勢はもちろんですが、事業所の支援者チームにも意識してもらうのはどうすればよいか悩んでいます。
各人が自覚する方法のヒントなどあれば伺いたいです。

 


▼ 開催後アンケート
誌面よりも多く、開催後のアンケートの一部をご紹介します。

 

●大石さんの実体験を伴う「態度や言葉を選ぶ大切さ」の温かいお話と、市来さん(亭主)との掛け合いが心地よかったです。
無理なく自分らしく実践していきたいと思います。
芙蓉のかたつむりさん)

 

●大石先生のお話を聞き、言葉の大切さが伝わってきました。
日常では省略語を当たり前のように使っていますが省略語は誤解を招いて分かった気にさせる、
認知機能の異なる人の心情を想像する努力を奪う、
変化の理由を考える努力を奪うことになる、
という話からその人の尊厳を大切にしていきたいと思いました。
先生のお話を聞いていて優しさが伝わってきました。
現実は難しと思いますがスティグマ(差別や偏見)を自覚すると言葉、態度が変わると伺いましたので努力したいと思います。
ありがとうございました。
ウッチーさん)

 

●認知症や医療用語や造語などの考え方や当事者の方々のどのような言葉や対応に傷ついているのかを知ることができとてもよい講演でした。認知機能の異なる人という捉えると娘のことを少し理解できそうな気持ちになりました。 匿名希望

●精神疾患にかかわる何気なく使っている言葉に潜むスティグマ(差別や偏見)にドキドキしました。
10年ぶりに精神保健部署に配属になり、介護職の人も医療用語をあたりまえに使われますが、自分自身含め、言葉を使うことで本人との間に差別化をはかっているかもしれないと思いました。
紹介いただいた(海外の)言葉のマニュアルを探して読んでみたいと思います。匿名希望

 

●「妄想」などの専門用語でなく、わかりやすい言葉を使い、なぜその状態になっているのか考えていきたいと思います。
大石先生のあたたかさが伝わる、すてきな内容でした。
匿名希望

 

●認知症の方を「認知機能の異なる方」との表現をされたことで、本日の内容にたいへん興味を持ち参加しました。
自分あるスティグマ(差別や偏見)を自覚することが、コミュニケーションの上でたいへん大事であることを教えていただきました。また、一人ひとりに向き合うことで専門用語、医療用語でひとくくりにしないことが大事かと思いました。
匿名希望

 

●大石先生のツイートやコラムを拝見し、スティグマ(差別や偏見)に興味を持つようになりました。
他の人の言葉の使い方を指摘しないというお話(指摘でなく自分のやり方を実際に見てもらう)、意外に思う気持ちと納得する気持ちとがありまして、印象的でした。匿名希望

 

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「こころの元気+」活用パンフレット:ネット編について
コンボ事務局

今回のパンフレットは、『こころの元気+』とコンボのウェブサイトを一緒に使うことで、お役立ち度をさらにアップさせよう!ということを目的としています。

このパンフレットを用いて、『こころの元気+』を読んで気になったトピックを、コンボのウェブサイトの「サイト内検索」で検索したり、関連動画を視聴したりしてみてください。

 

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