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第99回 頓服(とんぷく)(195号)
筆者:ゆま
(うつ病や生きづらさで苦しんでいる方の自助グループ ReOPA レオパ )
▼頓服(とんぷく)とは
頓服(屯服)とは「食後など決まった時間ではなく、症状のひどいときなどに薬をのむこと」と定義されています。
のんでいる方も多く、当事者の中ではなじみ深い言葉ですが、のみ方がきちんと決められていない分、自分で判断しなければならないむずかしさがあります。
▼情報や指示がなくて
当事者間でも頓服の話題はよくあがりますが、自分の頓服のことをよく理解できていない方も多くいらっしゃるようです。
どうしてこの薬が必要で、
どういうときに使うのか、
どういう頻度で使うのか、
などの必要な情報や具体的な指示を医師から受けていないというケースも多いようです。
よく理解しないまま「何となく」「自己流で」のんでいるという方も…。
▼いつのんでいるか?
実際は、やはり調子の悪いときや眠れないときなどに活用している方が多いようです。
また、出かけるときや用事があるときなど、症状が出たら困るときに、症状が出る前にのんでいるという方も多くいらっしゃいました。
▼お守りのように
実際は使わないけど、あると安心するという方も多いようです。
実際の効果を期待しているというよりは、精神的な支え、お守りのような存在になっているのですね。
私も不眠が続いてつらかったとき、「眠れなかったらどうしよう…」と考えるのではなく、「いざとなったら頓服がある」と考えるだけでとても気持ちが楽になりました。
▼うまく活用
「このくらいのペースだとよく効く」
「これだけ続けてのむと効かなくなる」
などの傾向を自分なりに分析しているという方もいらっしゃいました。
「1日何回まで」
「どのくらいの量まで」
と自分の中でルールを作っている方もいらっしゃいます。
当事者も試行錯誤しながら、頓服とのうまいつきあい方を見つけているのですね。
きちんと決められたお薬ではないからこそ、医療の力だけではなく、当事者自身の力が発揮されていることを強く感じます。
薬に不安を感じている当事者も多いですが、薬に翻弄(ほんろう)されるのではなく、少しでも生きやすくなるために頓服をうまく活用できるようになればいいなと思います。