特集3 剤形とのみ心地、効き方の体験談(192号)


特集3
剤形とのみ心地、効き方の体験談(192号)

こころの元気+2023年2月号より
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薬の効き方や味の好みなどは個人差があります。
この特集では自分が服用している薬の剤形とそののみ心地、また効き方の違いについてどう感じたか、
皆さんから例として体験談を送っていただきました。
※薬の剤形については→特集2へ


過敏のため 
著者:さくらさん(広島県)

私は自閉スペクトラム症で、特性として嗅覚過敏味覚過敏があります。
この特性で、口腔内崩壊錠や液剤をのむことができません

一時期頓服薬として、エビリファイの液剤が処方されました。
ですが、やっぱりにおいと味がだめで、まったくのめませんでした。

「ジュースと混ぜてのんでもいい」という許可をもらったので、ジュースとのむことにしました。
そうすると、薬のにおいや味はジュースにかき消されてのむことができました。
しかし、新たな問題が出てきました。
頓服薬を使うたびにジュースをのむことになり、体重がどんどん増えていったのです。
持病で糖尿病があるため、これ以上ジュースでのむのは危ないということで、エビリファイの液剤は中止になりました。

エビリファイの液剤は、錠剤よりも早く効くような感じがしました。
しんどいときには一刻も早くよくなりたいので、液剤があると助かります。

エビリファイには注射薬もあります。
注射自体は痛いですが、一瞬を我慢すればあとは何もしなくていいので楽です。

薬をのんでいるときみたいな実感は湧きにくいかもしれません。
「最近調子がいいけど、もしかして注射が効いてるのかな」という感じです。

 


のみやすさ
著者:倉田真奈美さん(千葉県)

私は、長年薬をのんでいますが、やはりのみやすい薬、苦手な薬がありました

幻聴が出たときに頓服でのんでいた先発薬のリスパダールの液剤は、苦くてのみにくかったです。
でも、すぐ効くので助かるし、水がいらないので便利でした。
そのジェネリック(⇨特集4参照)のリスペリドンは、甘い味になって、改良されていてすごくのみやすいです。

そして、やはり幻聴の頓服のジプレキサザイディスは、口腔内崩壊錠で、すぐ効くし便利です。
甘いラムネみたいだし、水がいらないので重宝しています。

逆に、どうしても苦手だったのは、舌下錠のシクレストでした。
舌の下に入れて、10分間黙っていないといけなくて、話したりすると、口中苦くなり、ピリピリ舌がしびれて困りました。
この薬を開発した人は、なぜこんなのみにくいタイプにしたのか、とても疑問です。
今はインヴェガという薬に置き換えて、幻聴も減って、助かっています。

便秘薬の酸化マグネシウムは、のみこむときにすぐホロホロと崩れてしまうため、たくさん水がいるので、コツがいります。
薬はのみやすいのが1番です。

 


剤形ごとの感想 
著者:冨永真弘さん(奈良県)
※お詫びと訂正:本では神奈川県となっていますが正しくは奈良県です。申し訳ございません。


今までのんできた薬についての自分なりの感想です。

まず、錠剤タイプは即効性はないように感じます。
ゆっくり効いてくる感じがします。
ただ、作用の強い薬の場合は即効性があります。

次に液剤は、即効性はありますが、苦みが少しあります。

舌下錠も即効性はあります。これは、粘膜から吸収されるので沈静化の強い薬の場合、舌がすぐに弛緩します。

貼るタイプは、即効性は舌下錠タイプには劣りますが、効きはよいです。ただ、かぶれてくるため同じ位置には貼れないので、貼る場所を毎回変えていかないといけないです。皮膚が弱い人は注意が必要です。

粉薬は、錠剤より早く効くくらいの感想です。

(今までのんできた薬で)薬が効いてくるまでの時間が早い順番に並べると、
舌下錠>液体>貼るタイプ>粉薬>錠剤です。

この中で一番のみやすい剤形は、舌下錠です。舌の下に置くだけで溶けていくので、水なしでのめるのが楽でした。

どの剤形も、薬の強さによって変わってくるという印象を自分の体験として感じています。
あと薬の剤形は、人それぞれの体の感受性が違うので、自分に合う剤形が一番だと思います。


こころの元気+2023年2月号より
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