特集3
脳の疲れ度チェック(187号)
著者:清野絵
(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 障害福祉研究部)
こころの病と脳の疲れ
「疲れているのに夜眠れない」
「よく寝たはずなのに頭が重い」
と感じたことはありませんか。
それは、脳をたくさん使ったこと(過負荷)による脳の疲れのせいかもしれません。
精神疾患があると、脳が疲れやすいと考えられています。
また、脳の疲れをそのままにしておくと、
「やる気が起きない」
「不安やイライラが続く」
といったように生活によくない影響があります。
そのため、脳が疲れているかどうか知ることが大切です。
脳の疲れ度チェック
脳の疲れに自然に気がつくことはむずかしいので、「脳の疲れ度チェックリスト(下記)」で脳の疲れをチェックしてみましょう。
リストでは、「体」「こころ」「生活」の3つの面から、脳の疲れを見つけられるようになっています。
質問では、あなたの「体調」「睡眠」「食事」「気分」「意欲」「行動」「作業」について、
ここ1日、1週、1か月の間で変わったかを聞いています。
あなたの調子がいいときの、いつもの状態と比べて、変わっているかをチェックしてみてください。
ここでいう「生活」は、家庭・学校・職場等での社会活動のことです。
「作業」は、家事・遊び・勉強・仕事等のことです。
「体」の変化は精神症状とも関連しますが、ストレスによる自律神経の不調のサインになっています。また、「作業」の変化の不正確さ・効率の悪さ・持続性・不安定さは、生活のしづらさや社会復帰の程度とも関連しています。
このリストを参考に、ご自分の脳の疲れが出やすいサインを見つけておくと、状態を把握するのにさらに役立つでしょう。
①チェックリストのやり方
リストの左側の質問①~⑦について、ここ1日、1週、1か月の間で、質問への答えが「はい」の場合は、□にチェック(✓)を入れてください。
どのように変わったかの例を、リストの右側にあげているので参考にしてください。
時間があれば、右側の例にもチェック(✓)を入れてみてください。
時間がないときは入れなくても大丈夫です。
▼脳の疲れ度チェックリスト
注:画面上ではチェックできません(クリックorタップで大きくなります)。
②チェックリストの結果の見方
チェックがどれだけ入ったでしょうか?
●1日の変化は、回復する疲れなのであまり気にしなくて大丈夫です。
●1週間の変化は、疲れている可能性がありますので、休養をとるなどして対処しましょう。
●1か月の変化は、疲れがたまってきています。
放っておくとよくありませんので、主治医や信頼できる周囲の人に相談して対処しましょう。
このリストを参考に、ご自分の脳の疲れが出やすいサインを見つけ、状態を把握するのにぜひ役立ててください。