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当事者・家族のための
わかりやすいうつ病治療ガイド(183号)
著者:ゆま
(うつや生きづらさを抱える方の自助グループReOPA (レオパ)代表)
精神科の治療においては、
当事者も自分の病気や症状について正しい知識を持ち、
自分の状態をよく理解し受け入れたうえで治療に臨むことがよりよい治療を受けることにもつながります。
この「うつ病治療ガイド」は、日本うつ病学会の「うつ病治療ガイドライン」を当事者、家族向けに解説したものです。
診断や治療法などが、専門的な言葉をできる限り除いて、当事者にわかりやすく簡便に書かれています。
「当事者やその家族が、より病気を理解し、納得した治療を受けるための手助けになれば」
という思いで、当事者の視点から私も作成に関わらせていただきました。
治療するうえで知っておいたほうがいいことや
医師に伝えたほうがいいこと、
治療の場で役立つ知識も満載。
当事者も今までは
「治療は治療者にまかせ、言われたとおりにするのがいい」
と思っている部分が多くありました。
治療に関して不安や不満、希望があっても伝えられなかった当事者も多くいたと思います。
このガイドを活用すれば、自分の治療について医師と対等に話し合えると思います。
長い間当事者活動をしてきた中で、
治療の場において専門家と当事者の間には
病気のとらえ方や
治療の進め方、
認識に大きな乖離があり、それが治療において大きな妨げになっていると感じてきました。
当事者にも理解しやすいガイドラインを活用することは、
当事者、治療者双方にとって治療を進めやすく、
より最適な選択をすることにつながると思います。
どういった治療が当事者の人生にとってよりいいものになるのか、
そういった根源的な問題を考えるうえでも、このガイドは役に立つと思います。
当事者のかかえる症状や苦しさというのは言語化できないものも多く、
ガイドとしてまとめるにはむずかしさがあり、そういった部分も当事者の視点として指摘させていただきました。
このガイドをとおして、
治療も含め人生にはさまざまな選択肢があり、
病気があっても自分らしく自分で選択して人生を生きていくことは可能だということが、
当事者やそのご家族に伝わることを願っています。
編集:日本うつ病学会当事者のためのガイド小委員会
発行:コンボ(047-320-3870)
定価:1430円(税込)