ちょっと知りたい!
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第83回
WeThe15(ウィー・ザ・フィフティーン)
※「こころの元気+」2022年1月号より
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著者:鎗田英樹
(帝京平成大学 健康医療スポーツ学部リハビリテーション学科 作業療法コース)
▼WeThe15とは?
WeThe15(ウィー・ザ・フィフティーン)とは、
共生社会の実現に向け「多様性と調和」を掲げ、東京パラリンピックの開催を機に行われた、障がい者への差別をなくすことを目的としたキャンペーンです。
15というのは世界中の人口のうち障がい者が15%を占めているという意味であり、その数は12億人にもなります。
WeThe15は国際パラリンピック委員会をはじめ、スポーツや人権、政策、ビジネス、アート、そしてエンターテイメントなどの組織の連合によって設立された世界的な運動で、今後の10年間で社会に変化を起こすことを目的の1つとしています。
これらのメッセージは、2021年8月19日にYoutubeで動画公開されました。
▼WeThe15と紫色
2021年8月19日、WeThe15の設立を祝って、東京を含む世界125以上のランドマークが、障がい者を象徴する色である紫色でライトアップされました。
たとえば、東京スカイツリー、レインボーブリッジをはじめ、
ニューヨークのエンパイアステートビル、
ュネーブの大噴水、
モスクワのオスタンキノ・タワー、
ローマのコロッセウム、
ロンドンのロンドン・アイ、
そしてナイアガラの滝などです。
▼発信するメッセージ
WeThe15は、単に障がい者数を%で示しただけではありません。
世界人口の15%を占める障がい者は、障がいのない85%以外の人ではなく、民族や性別、性的指向などと同じく、障がいという多様性を持った仲間であるというメッセージがこめられています。
以下はWeThe15が掲げる目的です。
①「多様性と包摂」という政策の中心に障がい者を置く
②障がい者の社会的包摂を推進するために、今後10年間に政府、企業、一般市民を対象としたさまざまな活動を実施する
③障がい者が潜在能力を発揮し、社会の積極的なメンバーとなることを妨げている社会的および体系的な障壁を打ち破る
④障がい者の認識、可視性、表現を強化する
⑤障がいの社会モデル教育を提供して、世界的な社会的および文化的誤解を払拭し、障がいは個人の障がいではなく、社会的および体系的な障壁によって生み出されていることを説明する
⑥社会的包摂を推進する手段としての支援技術の役割を促進する