ちょっと知りたい!
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第81回
ゲートキーパー
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著者:森本美花
(特定非営利活動法人ゲートキーパーTONARINO
旧:特定非営利活動法人日本ゲートキーパー協会TOKYO)
ゲートキーパーとは?
「ゲートキーパー」とは、日本のみならず海外の自殺対策の分野でも広く使用されている用語・概念です。
厚生労働省のホームページには、
「自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人のことで、言わば『命の門番』とも位置付けられる人のこと」
と記されています。
とてもむずかしいことのようにも感じますが、特別な資格でも職業でもありません。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤立・孤独」を防ぎ支援することが重要です。
それは専門性の有無にかかわらず、誰もがそれぞれの立場でできることから進んで行動することでできるのです。
われわれの団体ではゲートキーパーを「生きる人を支援する人」とお伝えしています。
ゲートキーパーの4つのステップ
ゲートキーパーの役割には4つのステップがあります。
それは、悩んでいる人に
「気づく」
「声をかける」
「話をきく」そして
「つなぐ・見守る」ことです。
まずは、家族や仲間など身近な人の
「いつもと違う」
を感じたら、あなたから声をかけてみませんか?
あいさつだけでもかまいません。
誰もがじょうずにSOSを出せるわけではありません。
「気づいているよ、心配しているよ」
と伝わるだけでも孤立や孤独を防げるでしょう。
※ゲートキーパーの4つのステップ
気づく ⇒ 「いつもと違う」様子はありませんか?
声をかける ⇒ 「心配しているよ」というサインを送りましょう。
話をきく ⇒ 話してくれている相手を主人公にしましょう。
つなぐ・見守る ⇒ 必要があれば専門家に相談しましょう。
これからの課題・今後の展望
昨今のコロナ禍による社会不安や自殺者増加の報道等から「ゲートキーパー」という言葉が、少しずつ知られるようになってきました。
しかしながら、これまで日本では、
自殺を個人的な問題として捉える傾向が強かったこと、
ひいては自殺対策は専門的な知識を持つ人だけが行うもの
といった誤解がまだまだあるように思います。
「孤立・孤独」を防ぐゲートキーパーの役割は、何気ない日常生活の関わりの中で、私達誰もが果たせるのです。
誰もが誰かのほっとする存在になることで、自殺予防だけでなく、誰もが安心して暮らせる社会の実現につながると信じています。