メンタルヘルス相談室

326

メンタルヘルス相談室  (326)

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¥1,540
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¥1,540
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メンタルヘルス相談室
―問題を解決する経験者たちの知恵―

四六判 330頁  コンボライターズ・著

【この本の特徴】
●精神疾患を持つ方が日常生活のなかでぶつかる様々な悩みごとに96人が回答
●回答者がすべて当事者か家族(専門家は回答していない)
●一つの悩みに複数の回答を掲載(質問総数36に対して回答総数167)
●さまざな悩みや困りごとに、すでに解決済みの人たちの経験をもとにした回答を掲載
●質問事項は、見過ごされがちな日常生活のなかで直面する問題が中心

この本は、当事者が日常生活のなかで直面する悩みや問題をどのように解決したらよいのか、どのように対処すればよいのか、という96人の経験者の知恵をまとめたQ&A集の本です。
通常のQ&A本は、一つの質問に、一人の専門家が回答をする一問一答ですが、本書の回答者はすべて当事者かご家族です。
また、一つの質問に複数の回答(全部で36の質問に、167の回答)を掲載していることが類書にはない特長です。
精神疾患は慢性化することが多いため、当事者の人生は大きく変わってしまいます。
そのため、その悩みや困りごとは多岐にわたります。
本書で取り上げる質問 は、「居場所がない」「自宅で安心して休めない」「理解のない父親との二人暮らし」「うつ病の夫にイライラする」「病気の影響でお風呂に入ることができな い」などと、当事者の多くが直面してしまう36の悩み事です。
しかし、こうした日常生活のなかで起きる悩みにこたえるための本は今までありませんでした。
当事者は、悩みや問題に直面をしたときに、いろいろな苦労や不安をもちながら試行錯誤を重ねています。その積み重ねは当事者にとって貴重な体験です。
あ る人が初めて体験をするような困りごとや悩みであっても、他の人はすでに解決済みの体験もたくさんあります。
その解決済みの体験を集大成したのが本書です。
当事者の方達が何か困ってしまうとき、この体験者たちの声を開いてみることで何かのヒントが湧いてくることを期待して本書を制作いたしました。
【内容】
●PART1 生活のなかで困っていること
居場所がなくてさびしいです
自宅で安心して休むことができません
周囲に理解されないもどかしさ
結婚すると具合が悪くなるのでしょうか?
育児のコツを教えてください
自分が入れる医療保険が見つかりません
高齢の両親の介護が不安です

●PART2 家族の関係で困っていること
親孝行ってどうしたらよいのでしょうか?
親との関係に悩んでいます
理解のない父親との二人暮らしがつらいです
夫が躁うつ病です。どうしたらよいでしょう
うつ病の夫にイライラしてしまう自分
夫が医者を拒否――どうしたらいいの?
病気を受け入れられない兄
息子が外出することができません
失った友人・家族との信頼を回復させたい

●PART3 病気とのむきあい方・生き方で困っていること
病気とつきあうってどういうことでしょうか?
どうしたら病気を受け入れられますか?
休職中にどうやって休んだらよいのでしょう?
環境が変わらないのに、うつ病は治る?
消えてしまいたい毎日
いやなことから逃げてしまう私
復職しようと思っているのですが…。
病気の体験をいかす生き方とは?
症状などへの対処 ・

●PART4 自己コントロールで困っていること
自傷行為(アームカット)から立ち直るには
パチンコ依存に悩んでいます
すぐイライラして困っています
拒食症から回復するには?
衝動買い(買い物依存)で悩んでいます
理解力が落ちて困っています
お風呂に入れません
車が運転できなくなり、困っています

●PART5 医療や薬のことで困っていること
主治医とのやりとりにつかれてしまいます
薬を減らしてもらうには
副作用で太ってしまいます
服薬拒否と水薬の使用について
【1つの質問に4~5つもの回答が掲載されているワケ】

この本の最大の特徴は、一つの問いにいくつもの回答があること、質問内容が生活のなかで生まれてくるさまざまな悩みに及んでいること、そして、当事者と家族だけによる体験に基づく回答であることです。
それにはこんなワケがあるのです。

●36の質問、167の回答、96人の回答者――その経緯
メンタルヘルスマガジン「こころの元気+」は2007年3月に創刊をした月刊誌です。
創刊の前の企画段階でこのQ&Aコーナーは、「一つの問いに一つの答え」という一般的なスタイルを予定していました。
しかし、企画会議が進むなかで、「悩み事や問題への対処方法や解決のヒントは一つだけではないはずだ。いくつもの回答を掲載したらどうだろう」という意見が出ました。
それはおもしろい! ということになり、そのスタイルでいくことが決まりました。
ところが、何人もの人に書いてもらうということで、まず困ったのは執筆者 さがしでした。
インターネットで、うつ病などの自助グループを探して執筆をお願いしたり、以前から知っている人たちにお願いをしたりしていましたが、それ にも限界があります。
そこで思いついたのが、メールを使った原稿募集のよびかけでした。
メールアドレスを登録してもらい、質問を投げかけます。
すると、多くの読者の皆さまから 回答が寄せられるようになりました。現在では、全国におよそ500人の方が読者ライターとしてが登録をしています。
これがコンボライターズの誕生でした。
本書では36の質問に、167の回答を掲載しております。また、回答者数は96人です。
本書の特長である、複数の回答というスタイルはこうして生まれました。

●いろいろな視点があることに気がつく
複数の回答に接すると、場合によってはまったく正反対の考え方も提示されたりするので、いろいろな視点から物事を見ることが可能であることに自然と気がつ くようになります。
病気を抱えていると、将来への希望が感じられなくなってしまいます。
また、精神疾患の特徴として、物事を否定的に捉えがちになってしま います。
困ったときに、本書をちょっと手にした読者の方が少しでも一歩を踏み出すきっかけになればと願っております。

 

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