仲間をつくろう→PNPP(コンボ)


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心に困難をかかえ、精神疾患を持つ人(当事者)を仲間同士で「ピア」と呼びます。ピア・ネットワーク・プロモーション・プロジェクト(P.N.P.P.)では、「言いっぱなし、聞きっぱなし」のグループを作り、運営し、全国のピアグループとネットワークを作ることをめざしています。

(※言いっぱなし、聞きっぱなしとは:何でも話し放題や意見を言ってはいけないということではありません。個人攻撃をしない、話をしている人を妨げない、話されたことは全部会場に置いていき後で蒸し返さない等のルールに沿って行います。)


PNPPについて コンボ共同代表 宇田川健 (※プログラムや内容は一部変わることもあります)

PNPPとは、ひとことでいえば、当事者活動盛り上げプロジェクトで、競輪の補助金を受けて運営しています。
地域にピアサポートグループや当事者活動はあるけれど、広く見れば横のつながりがなく、どこに情報を共有する場所があるのかもわからないということで始まりました。

プログラムは第1部と第2部に分かれています。

第1部では、3~5つほどの地元のピサポートグループや当事者グループから、活動報告をしてもらいます。リカバリーの過程にいる地元の当事者グループの方々と、その地方でいろいろな情報のなかった方々をつなげる目的です。

第2部では、初めてのピアサポートグループ体験として、言いっぱなし、聞きっぱなしのグループを小グループに分かれて、体験してもらいます。
初めは少ししか説明しません。まずは体験しながら、やってみましょうという感じです。
小グループは、ネームカードに地元の有名な物・所・人などを書いてもらい、共通する人とグループをつくってもらいます。そして1枚のプリントに従って、ファシリテーター(進行役)も各グループで決めてもらいます。
それぞれのグループの中で、ゆったりとグループをまわしてもらいます。
そのときには、グループを突然まわすことになったファシリテーターさん、それから参加者の皆さん全員に戸惑いや、不安、初めての人との近さの緊張感、居心地の悪さも感じてもらいながら、そしてお互いに相手に気をつかいながら、ルールに従って言いっぱなし、聞きっぱなしの会を体験してもらいます。

テーマの一つがリカバリーで、「ここ1か月の私のリカバリー」を語り合う時間もあり、そのとき初めてリカバリーという言葉に触れる人もいます。
「リカバリーって何ですか?」と質問が出ます。
「うまく話せなくても、自分で決めること、責任を取ること、ピアサポートすること、物の見方が変わることはありましたか?」と答えています。「そういう経験を話してみてください」と言っています。

そして、最後にすべてのグループにインタビューします。
ファシリテーターをしてもらった方、それから、そのまま次のグループをするとしたら、次のファシリテーターに指名された方に一言ずつ話していただきます。

毎回、和やかに、ゆったりと「言いっぱなし聞きっぱなしのグループ」を体験してもらっています。ゆったり、病気や障害、悩みごとばかりに関わらず、そこからはみ出した、いろんな話ができる場になっています。
今後は各地で発掘したピアサポートグループの情報を共有するための算段をつけながら、PNPPを続けていきたいと思っています。
そして、数年後にはコンボのいろいろな活動を通して、各地のピアサポート情報、当事者活動の情報が誰でも可視化、共有できるようになるといいと思っています。
人は資源です。情報はみんなのものです。

(「こころの元気+」2014年5月号「コンボの動き」より)