こころの元気+ 2014年8月号特集より
特集8
動物が飼えません
飼えない理由
(石川県)あゆむさん
我が家では昔ペットを飼っていましたが、今は飼えない理由があります。
それは、過去に猫を飼っていて、車にひかれて死んでしまったことと、犬にしても隣の家が飼っているので遠慮して飼えないということなど、たくさん理由があります。
とにかく、死ぬまで責任を持って飼うことがむずかしく、死んだ後につらい想いをするということが一番の飼えない理由かもしれません。
何かと理由をつけて、ここ10数年以上もペットを飼っていませんが、本当は私も母も動物が大好きです。
でも、きっとこれからも、こういった理由からペットはずっと飼えないと思います。
アピールされて
(長野県)のら猫さん
あれは「うつ病かな?」となんとなく自覚した頃でした。
心身ともに重い体をひきずるように出勤の途中、ついクセでコンビニへ寄ってしまいました。
以前は昼食を買っていたのですが、食欲もないので何も買わず外へ出たら足元に何かが触りました。
「何だろ?」と見ると、薄茶色のちょっと西洋風な猫がすりよってきて、目が合ったら
「にゃあ!」
仔猫というにはちょっと大き過ぎ、でも大人でもないくらい、ズボンのすそにすりついたり、自分の足を登ろうとしてずり落ちたり、とにかく「遊んで! 飼って!」と一所懸命アピールするのです。
「遊んで!」はさておき「飼って!」はペット厳禁のアパート住まいだったのでどうしようもありません。
仮に飼える環境でも出勤途中です、一日会社に猫を放しておくわけにもいきません。
店員さんが猫まんまを持って出てきたので立ち去りましたが…連れて帰りたかった!
不安定すぎて
(東京都)澤田優美子さん
ペットがいると癒される、早起きできる、がんばれると聞きます。
でも私は長時間睡眠という睡眠障害があり、週に1、2回は40時間眠りこんでしまいます。
母が起こしてくれて、食べ物を用意してくれなければ、そのまま死んでしまうでしょう。起きても疲れていてペットの世話などできません。
その一方、ピアサポート活動などで留守にすることもしばしばです。
近所にペットを預かってもらえる家も、ペットホテルを利用するお金もありません。こんな私ではとてもペットを飼うことはできません。
子どもの頃はいろいろなペットを飼ったことがあります。
でも、小さい頃犬を飼ったとき、広い庭の隅につないだままで1日1回エサを与えるだけで、全然散歩にも連れて行かず、一緒に遊びもしませんでした。
親がそうでしたので、疑いもしませんでした。
今思うとかわいそうなことをしました。私もできるなら犬と遊んでみたいものです。
出会っていない
(大阪府)まおさん
私の住むのは集合住宅で基本的にペット飼育は禁止ですが、それを守る人間ばかりではないので犬や猫を飼っている人はいることはいます。
しかし私は過去にペットが寿命で死んだり事故で死んだりしたことがあるので、基本的にペットは条件がそろえば飼いたいのですが、今ひとつ思い切れないで、道ばたで猫を見たらなでさせてもらって和んでいます。
どうやらペットを飼う人間というのはどのような状況でも飼おうとするので、お金がないから飼わないとかいうのは、実はそういうことを口実にして今ひとつペットを飼うという選択をしないだけなのだと思っています。
私も実はそういう種類に属する「ペットは飼いたいけれど飼わない人々」の中に入るのだと思っています。
猫を例にとれば、よくいわれるように「私は暮らしをともにする猫に出会っていないだけ」なのだとは思います。
そういう出会いがあれば飼おうと決断するかもしれません。