「リカバリー全国フォーラム2020」用語集


「リカバリー全国フォーラム2020」内で、出てくる英語や難解な専門用語など、いくつかをまとめてABC順、あいうえお順に説明文を作成してみました。
言葉の解説には異論があるかもしれませんが、分科会や参加プログラムを選ぶ時の参考になれば幸いです。


▼目次

IMR
IPS
WRAP
アウトリーチ
オープンダイアローグ
シンポジウム
当事者
トークライブ
ピア(ピアスタッフやピアサポート)
ファシリテーター
マインドフルネス
リカバリー
リカバリー カレッジ

▼用語と解説

〔分科会の形式について〕

シンポジウム: 出演者からの体験談、話題提供、事例紹介などの発表・講演が中心です。話を聞く形になりますが、質疑応答などの時間も設けるようにしています。

トークライブ:あるテーマについての発言や対談などを聴く催し。リカバリーフォーラムのトークライブでは、毎年、参加者に自分のリカバリーについて発表してもらっています(今年2020年の出演者募集について:締切 →コチラ)。

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〔アルファベット順〕

IMR (アイエムアール)
Illness Management and Recoveryの略語:  疾病管理とリカバリー。
精神疾患をもつ人が、自分に適した方法で自らの精神疾患を自己管理し、自分で決めたリカバリーゴールに達するために必要な情報や技術を手に入れることを目指す、パッケージ化されたプログラム。

IPS (アイピーエス)
Individual Placement and Supportの略語 :個別就労支援プログラム。
アメリカで開発された就労支援モデル。
従来の職業リハビリテーションと違い、職業に就く準備ができている・できていないなどの判断をしません。
診断名・重篤度・入院歴等と就労達成率には関連がないという科学的根拠から、本人の好みや長所に注目した求職活動と同伴的な支援を継続します。
(IPSには、他にもIntentional Peer Support インテンショナル・ピアサポート:意図的なピアサポートというような意味を表すものもあります)


WRAP (ラップ)
Wellness Recovery Action Planの略語:元気回復行動プラン。
当事者が自分がいつ、どんな状況で気分が落ちこむのか、どうやってよい感じを保つのか等を書き出し、対処法を決めておく。そんな自分でつくる生活管理プランです。

 

〔あいうえお順〕

アウトリーチ
ユーザーの自宅等に出向いて支援を行う、いわゆる「訪問による支援」を意味します。

オープンダイアローグ
Open Dialogueは、「開かれた対話」という意味です。これは、フィンランドのケロプダス病院で1980年代半ばから90年代前半にかけて開発された精神科治療システムの名称です。
この治療システムの特徴は、あらゆる精神科的治療ニーズのある人、特に幻覚妄想や混乱が激しい急性期状態にある人にも、迅速に「治療ミーティング」が提案され実施されることです。
医療者や支援者だけでなく、家族、そして本人(当事者)とともに対話を行います。
なお、「オープンダイアローグ:対話実践のガイドライン」はODNJPのウェブサイトから入手可能です。

当事者
そのことに直接関わりがある人のこと、すなわち、精神保健福祉分野の場合では、精神疾患をもつ本人を、「当事者」と呼んでいます。

ピア(ピアスタッフやピアサポート)
心に困難をかかえ、精神疾患をもつ人(当事者)を仲間同士で「ピア」と呼んでいます。
ピアサポートやピアスタッフのピアも同じ意味です。ピアサポートはピア同士による対等な関係の中で生まれる支え合いで、ピアサポートを実践する人が、ピアスタッフやピアサポーターなどと呼ばれています。

ファシリテーター
指導や指示をするのではなく、発言などを促す進行役のことです。
当事者が自分の元気を回復するための行動計画ラップ(WRAP)など各分野で活躍してくださいます。

マインドフルネス 
今の瞬間の現実のできごとに常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には捉われないでいる状態。
自分の心の状態に目を向け、そして他の人の心や環境に目を向けることができ、全体に気配りできる余裕を持った心の状態。

リカバリー 
英語としての意味は「回復」ですが、単なる回復だけではなく、病気などによって失われた自分の可能性を広げていくプロセスのことで、それには限りがなく、人によって異なるものとされています。
リカバリーは何かというテーマで長い話し合いができるほど、多様なものとなっています。

リカバリー カレッジ
当事者が患者でなく、学生としてリカバリーについて学校で学ぶことができ、家族も医療従事者も、みな学生として共に学べます。
2000年代後半に、先駆地であるケンブリッジやロンドンのNHSトラストがアメリカモデルに着目し、これらの方法を採用したことに始まります。

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