自閉スペクトラム症と拒食症の息子が通院をいやがり困る親からの相談


「家族の相談カフェ 困ったことはマスターに聞け」
「こころの元気+」2017年9月号(127号)より →「こころの元気+」の連載

回答者:鈴木高男(茶房つむぎのマスター/摂食障害ポコ・ア・ポコ代表)


44こめのご相談

内科と精神科の2つへ通院/息子が通院をいやがり困る母親

息子が自閉症スペクトラムで拒食症と診断されています。
現在2つの病院に通院していますが、低体重となり、以前から通院していたA病院の内科から拒食症治療専門のB病院の精神科を紹介され入院しました。
退院後は低体重でありながらも通学しています。
B病院では「A病院の内科医さんとはつながっていてください」と言われています。
しかし息子はA病院の通院をいやがり、行きたくないと言います。
理由を聞くと、「A病院ではイヤなことを言われるから」ということでした。
どうしたらいいか困っています。


回答:精神科の医師と相談を

摂食障害と自閉症と両方で、お母様の心配も大きいでしょうし、つらいですね。
摂食障害の病状が小さくなると、自閉症も小さくなる方もたくさん知っております。
まず心がけることは、
「あきらめない、急がない、あわてない」です。しっかり医療者とつながって改善の方法を探していきましょう。

しかしここで、一つの医療とはつながりたくないと言われてしまうとお母さんも混乱してしまいますよね。
摂食障害は、内科的治療と精神科的治療と両方の治療が必要なため、「各々の専門分野で関わってください」という医療者の考えは正しいと思います。
しかし、それぞれの病院で息子さんに対しての対応が違うと思いますので、息子さんの戸惑いを考えると「しんどさも大きいのではないかな」と思います。
内科では低体重であれば体重増加を主体に本人に話をしますし、精神科では太ることの恐怖につきあうわけですから、内科のほうが分が悪いですよね。

2つがどのような病院なのかわかりませんが、B病院が総合病院で内科も併設しているようなら、2か所に通院する身体的負担や費やす時間なども考えると、B病院で一緒に診てもらえたほうがメリットはあると思います。
ただ、摂食障害の専門医に診てもらっている方でも、内科医を特につけている方ばかりではないと思います。
息子さんに内科的疾患がなければ、B病院の精神科医に身体管理もしていただけるか相談してみてもいいのではと思います。
もしB病院では身体管理がむずかしいようでしたら、現在も低体重ですのでA病院の内科に通院することが必要になりますが、その辺のところもB病院の精神科医から息子さんに話をしてもらってはいかがでしょうか。


回答者:鈴木高男
profile
すずき・たかお●摂食障害の娘と向き合う中で家族会の必要性を痛感。
平成10年に家族会を結成。家族会やインターネットを通じ、情報提供や相談を受けている。