「こころの元気+」2015年2月号(96号)より →『こころの元気+』とは
特集4「病名を教えてもらえない不安」より
誤診かさえわからず
(奈良県)榎田伸也さん
私が発症して数年間、数多くの医療機関やクリニック、カウンセリングなどを渡り歩きました。
当時はまだ、統合失調症へのとらえ方が、医療機関によってまちまちでした。正確な病名を告げられたことはなく、「神経症の範疇でしょう」など、アバウトにしか言われませんでした。
あるクリニックで、不安なあまり主治医を変えていると、ある先生から、「そんなにコロコロ変えたら、よくないよ」と冷たくあしらわれたこともありました。
正直、非常にショックでした。
私はただ、「正確な病名」を知りたかっただけなのです。病名さえわかれば、早い時期から本などで、いろいろと治療の方法を探ることができたかもしれないのです。
当時の主治医が「誤診」かどうかですらまるでわからず、苦悩し続けた日々だったのです。