「こころの元気+ 2016年4月号」より ※こころの元気+とは?
特集2 私のうつ状態
うつ病の方、うつ病以外でのうつ状態、それぞれどんなふうだったのか、
病名とともに寄せてもらった、人により異なる体験談を掲載しました。
信じられないくらい (長野県)オレンジさん
私は、うつ歴18年になる主婦です。
会社の人間関係から毎日吐き続け、眠れず、病院でうつと診断され、その後、統合失調症と診断されました。
当時、3年半の寝たきり生活をおくり、主人が家事を全部行い、私を看てくれました。
私は、いろんなものに感動しやすい性格でしたが、まったく無表情になり、誰がどんなおもしろい話をしても笑うことができませんでした。
ぼっーとしていたので、主人は私にお金を持たせることは危険だと言い、私は3年半お金を目にしたことがありませんでした。
お風呂も入れず、主人が髪も体も全部洗ってくれました。食事も自分でできず、スプーンで食べさせてくれました。悲しいのに涙が出ず、心が麻痺してしまった気がして、感情表現ができなかったのが一番つらかったです。
今は、テレビを見て笑える感情が戻ったことが信じられないくらいです。心から、すべて支えてくれた主人に感謝しています。
情報がなくて (静岡県)華月さん
私はうつ病の40代女性です。
「うつ病」と診断されたのは25歳のときでしたので、もう20年この病気とともに生きています。
私の病名を詳細にいうと、「非定型うつ病」です。一般的なうつ病と違い、自分が興味を持ったことに対してはそれがおっくうになることはありません。
仕事は行けませんでしたが、好きなクラシックのコンサートには電車を乗り継いでも出かけていたので、家族からも「本当に病人ならもっと病人らしくして」と誤解を受けました。
でも仕事のことを考えると死んだほうがマシと思え、何度も死ぬことを考えました。実際に大量服薬に至ったことも何度もあります。
当時は「非定型うつ病」に関する本などまったくといっていいほどなく、自分の病気に関する情報がないため、なぜ仕事に関することを考えるだけでつらくなるのか、本当に病気なのか、わけがわからず悩んでいました。
発症から何年か過ぎて、ある本で自分の病気の症状についての記載を読んで、やっと納得しました。
外からわからず (大阪府)R.Nさん
私は「ストレス性てんかん」という名の精神障害です。
私は社交が苦手なため、人とのふれあいをあまり得意としません。抑制的にふるまうことが多く、心の中にわだかまりを持ちやすく、はき出せないわだかまりがたまると、うつ状態になることがしばしばあります。
こんな心の様子は外からわからないために、社交性があるように誤解されます。会話を決して楽しんではいないのに、そのように受け取られていないようです。
今、心理カウンセリングを受けています。孤独、イライラ、無気力、無力感、むなしさ、そんな心の動きとうまくつき合う方法を探しています。時には、死にたいと思うこともあります。そんな感情とどう向き合うかを探しています。
うまくいくかはわかりませんが、治療にがんばっています。