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統合失調症の人の突然死をなくしたい。そのために何ができるのか――
統合失調症の人が知っておくべきこと―突然死から自分を守る―
四六判 176頁
コンボ・編
【この本で伝えたいこと】
●統合失調症の人は一般の人よりも病気にかかりやすいこと
●統合失調症の人は一般の人よりも突然死のリスクが高いこと
●抗精神病薬(統合失調症の薬)は管理して使う必要があること
●しかし、そうしたリスクから、自分を守る方法があること
●知識を持っていれば、対処ができること
【なぜコンボはこの本を出版したのか】
ある日突然(自殺ではなく)、統合失調症の人が亡くなってしまう。当事者の方や、施設の職員の方のまわりでは、そうしたことが必ずといって良いほど数年に一度は起きます。
そうした人たちが共通して語るのは、「あの方は、昨日まで元気だった。突然のことで原因はわからない」ということです。突然死の問題は、もう何十年も前から起こっています。しかし、こんなに深刻で頻発している問題なのに、これまで、まったくといってよいほど、その情報がありませんでした。それは、その原因が不明だったからです。
しかし、ここ数年の間に、突然死に関することがかなり具体的にわかってきました。海外の研究によって、いろいろなデータが出てくるようになったのです。
――抗精神病薬を服用している人は、そうでない人よりも心臓突然死のリスクが高まる
――抗精神病薬の服用量が増えれば、突然死のリスクは高まる
――抗精神病薬の併用数が増えるほど死亡リスクが高まる
では、抗精神病薬はのまない方がよいのかというと、それも違います。
――薬をのまなければ、自殺などのリスクが高まる
そういうデータもあるのです。
突然死の問題は、薬が危険なのではなくて、適切な量を超えての服用が突然死のリスクを高める、ということなのです。
突然死の問題は、未然に防ぐ手だてがあります。
それは、薬の量を見直したり、血液検査や心電図の検査を定期的にするなどの、モニタリングを欠かさないなどです。
リスクと未然に防ぐ手だては知っておくべきことだ。
だからこそ、この問題は、「すべての統合失調症の人たちが知っておくべきことだ」
――そうした議論を経て、この本を出版することになりました。
ちなみに、その結論がそのままタイトルになったのです
【もくじ】
●第1章 薬によって私たちにはどんなことが起こっているのか?
山梨宗治(NPO法人全国精神障害者ネットワーク
協議会事務局長)
知識を持っていれば対処ができる
多剤大量処方による問題
身体合併症は一般の人の10倍だった ほか
●第2章 家族から見た統合失調症罹患者の異常な死亡率
小松正泰(川崎市の家族会連合会 あやめ会/家に
引きこもりがちな人たちを支援する窓の会)
死亡率を調べてみたら…
さまざまな問題を検証してみた
問題を改善するための対策 ほか
●第3章 薬を使いこなす前に考えるべきこと
佐藤光展(読売新聞東京本社医療情報部)
安易な診断による誤診の実例
大量投与の問題
ベンゾジアゼピン系薬剤の問題 ほか
●第4章 統合失調症患者の死亡リスクと薬物治療
藤井康男(山梨県立北病院院長)
死亡の原因についての研究
薬を中断した場合の自殺率の高さ
死亡リスクを下げるポイント ほか
●第5章 薬と安全につきあうためにはどうすればよいか
吉尾隆(東邦大学薬学部医療薬学教育センター臨床
薬学研究 室)
望ましい薬物治療とは
抗精神病薬は管理して使う必要がある薬
自分の身を守るために何をすればよいのか ほか
●第6章 統合失調症患者の突然死をめぐって
里中高志(精神保健福祉ジャーナリスト)
さまざまな突然死の原因はどこにあるのか
原因は抗精神病薬なのか生活習慣なのか
薬との上手な付き合いを続ける――当事者の話が
示唆するもの ほか
●第7章 咳嗽反射のなかった私
宇田川健(コンボ共同代表)
精神病院では血液検査をしないのか?
知人が少なくとも6人突然死
皆さんにお願いしたいこと ほか
●第8章 いま苦しんでいる方々と共に
加藤玲(新宿フレンズ家族会)
新宿フレンズ家族会での対応
わが家での慎重減薬とストレス対応 ほか
●第9章 薬物療法に関する対話について――多剤大量処方になることを防ぐために
伊藤順一郎(国立精神・神経医療研究センター社会
復帰研究部部長/コンボ共同代表理事)
僕たちはなぜ薬をのむのか
精神病状態にある人に医療者が「よりそう」とは
薬をのみ続けることを支える ほか